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2012年5月13日 (日)

ゴラム(スメアゴル) その11

今回は前回の続きで魚君からのお話。
元々このお魚君が何という部類なのかのも全く知らないままちょっと資料を物色、おそらく鯉の一種なのでは?との思いで進めてみました。
下地の色の風合いまでは既に終わっていますので、後は細かなディティール的な処理が中心です。
鯉ならばウロコに当たる模様が必要?目玉の処理は生きた感じ?死んでいる感じ?
魚の表面独自のキラメキの雰囲気は?獲れたてならばしっとりと濡れた表現は?
今回はその辺りを自己流の解釈で一気に進めてみました。

G111

画像1はそれらを考慮して再現してみた、の絵。
オリジナルでは表現されていなかったウロコ模様を格子状に描き込んであります。
なんともベタな表現になってしまいますが、鯉ならば、割と妥当な線なのかも。
腹回りに至るまでの微妙な白っぽさのグラデーションにも気を使いたい所。
最終的には濡れた雰囲気を出したいのでクリアでの処理になりましたが、その前に、基本塗装の後、ランダムにシルバーの極々薄めたものを追加、決してシルバー色は存在しないのですが、顔料の銀粉がまばらに表面に付着して、見る角度によって微妙な光の反射が得られます。
これは今回の瞳の塗装の際にも使っている手法、最終の仕上がりに隠し味でスパイスを利かせる意味合いなのです。
そして表面のしっとりと濡れた感じのクリア仕上げ、ここが最も重要な処理。本来の光沢を出す為の均一な塗膜、生物等の場合には必要ありません。
あくまでもランダムに、場所によっては光沢も有ったり無かったり、光沢の度合いも強かったり弱かったり、適材適所での使い分けがよりリアルな表現への近道だと言えるでしょう。

G112

画像2は当初のオリジナル。
こうして比べてしまうとなんとも悲しげな事に…。
造形が素晴らしいだけにもったいないですよね。
これはこれで有りなのかもですが、ちょっとのひと手間で上のようになってくれますので試してみる価値は大いにあるのでは?

G113

画像3ではわずかに残った髪の毛のほぼ最終段階の状態。
幾度にも渡って薄めた黒を塗り重ねて行く際に、しっかりとシャドウ部とハイライト部も意識しながら作業を進めて行き、常に単調な仕上がりにならないように進めます。
ただの黒をモールド通りにベタッと塗っても単なる塗り絵状態、フィギュアの塗装の際によく陥りがちなのがこの辺りの表現なのです。
この感覚が身に付いて来ると、色々な表現が見違えるように変化する筈です。

G114_2

という事で長らく続きましたゴラムの塗装も概ね終了です。
画像4は左がオリジナル、右が完成の画像。
小さな画像で比較してもその変化は非常に解りにくいですね。
ただ、間違いなく変化している事はお解り頂けるかと。
完成品としてのスタチューも、やはりひと手間掛けるとこんな風に変わるのだということで、ご覧頂いてます皆さんにも是非お気に入りの物でチャレンジしていただきたいと思います。
必ずや自分だけの貴重な一点ものを手にする事が出来ると思います。
今回は完成の割になんとも尻つぼみな状態では有りますが、完成画像は次回という事で、まだ続いちゃうんですね〜!しばしお付き合いの程を。

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