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2012年2月12日 (日)

1/6アクションフィギュアのヘッド塗装 その8(最終回)

長らくと続いた1/6アクションフィギュアのヘッド塗装も今回でいよいよ最終回。
この制作記事ではあくまでも塗装を中心に、様々なジャンルで活用していただける事を前提にしておりますので、今回はコスチュームや装備品等に関しては割愛させていただきました。
アクションフィギュアの完成までとしてならば、もっと多くの事が作業として必要な訳ですが、多くの方はそこまでは望まれる事は無いでしょう。
とは言え、いづれは完成させますので、機会が有ればその後の姿もお見せできる日も有るかと…。
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画像30では背景に黒の布を使ってみました。
白バックとはひと味違った存在感になるのも完成後の楽しみの一つです。

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おまけとして手元の塗装を簡単にご紹介。
間接のギミックは可動させる為には目をつむるとして、オリジナルのままではせっかく多いに変わったヘッドの前ではどうにも気になってしまいますので、肌つながりという事でそれなりに塗装する事をお勧めします。
特別な気合いは入れないで、顔の塗装の途中で使った色をその都度塗って行けばおおよそ同じ行程内で仕上げる事が出来ます。
細部のこだわり方としては間接等の皺や手の甲の血管等を表現するとよりそれらしく仕上がる事と思います。

仕上がった作品を改めてしげしげと見る楽しみは模型の醍醐味と言える事でしょう。現在ではweb等での投稿やHPにアップされる方も増えている中、単純に撮影する以上に、撮影段階でひと工夫する事は非常に大切な事だと私は考えます。作品自体の魅力がさらに別の楽しみに繋がって行く事にもなるかもしれませんね。

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画像32は撮影段階のバックに秋の木立の風景と言った自然のイメージを使っています。普段から背景用にイメージして撮影しておくのも良いですし、様々なデータを使ってA4サイズで出力しておくと結構使える物です。
撮影の際には被写体とバックとの距離や被写界深度を考慮した背景のボケ具合(プリント出力自体をぼかしておいても有効)、そして違和感の感じないライティングに注意が必要です。

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画像33では同様にバックをレンガの壁面のプリントに変えてみました。
上の物とはまた一風変わった画像になっているかと。
このように背景のイメージが変わるだけでも写真としての存在感や意味が色々と変化してきますので、自分のイメージに合った写真造りも作品が完成した後に楽しみがまた増えると言えるかもしれません。

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デジタル故の更なる楽しみ(?)と言えるのが画像34のように古めかしいイメージ写真に仕上げたするのもそのひとつ。
古い画像のフレームを用意してモノクロ階調でセピア風に調整。仕上げにスクラッチノイズを加えるとこんなイメージになりました。
持参しているソフトや入手可能なデータ次第で出来る事にも個人差はありますが、チャレンジしてみても損は無い筈です。
ジャンルやスケールは違ってもかなり有効ですので、模型制作の楽しみの一つに加えてみてはいかがでしょうか?

さて、次回は息抜き的に簡単お手軽「食玩リペイントの勧め」を予定しております。

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2012年2月 5日 (日)

1/6アクションフィギュアのヘッド塗装 その7

さて、最終仕上げです。
とはいえ、顔のほとんどが終了していますので、今回は髪の毛のお話を軽めに。
画像25のお方は綺麗な金髪にしたい所。
オリジナルの物は単なる黄土色のべた塗り(画像左)ですが、これではせっかくのお顔のリペイントも引き立たないという物です。
金髪の場合、髪の一本一本が金色という事では有りませんし、奥まった陰の部分は黒っぽく、光の当たる部分は白っぽく、と言った光の反射等を意識すると雰囲気に不自然さが出てきにくいと思います。
この辺りも個人的なアレンジも込めながら、様々な金髪の写真などを参考にしてみると良いのではないでしょうか。
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画像26の方のお方はブロンド調に。
こちらも茶系を基調にしながらシャドウ部やハイライト部の調子をしっかりとつけて仕上げて行きます。髪の色が違うだけでもかなりイメージは変わって見えてくる筈です。
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実は髪の毛の塗装は、他が全て終わってから別の作業、とはしない方がよろしいかと。
あくまでも顔の塗装の際に同時に少しずつ塗りながら、あくまでも全体的なイメージが常に把握できている方がバランス良く仕上がる筈です。

という事でヘッド周りの塗装がほぼ終了いたしました。二体並べての引きの感じはこんな雰囲気に。当初の箱から出したままとはかなり変わったと思われますが…。
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作業途中の微妙な変化の積み重ねがこのような変化となる訳ですが、大切なのは、頭の中での仕上がりのイメージの把握、そしてそのイメージに近づけてゆくための地道な努力、と言えるのではないでしょうか。
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顔のアップです。1/6というビッグスケールならではの情報量の多さは他のスケールでは味わえない楽しみが広がって行きます。二枚目風の画像28のお方、肌はやや黄色みを多くしてワイルド感をプラスする事でひ弱な感じにならないよう演出してみました。
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オリジナルではどちらかと言うとひょうきんな、とぼけた感じの画像29のお方、こちらは白みと赤み多く使い、繊細な頭脳を持ち合わせた知的な白人、と言った感じでしょうか。
いろいろとフィギュアを手掛けていますと、どうしても男前の物が多くなりがちですが、こうした個性的な造形も塗装次第ではいろいろな表情を作り上げて行く事が可能な訳です。
どちらかと言えばこちらの手の物の方がいろんな意味で楽しめるのかも、です!

という事で一応完成となりました。次回はオマケな記事、の予定です。

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2012年1月29日 (日)

1/6アクションフィギュアのヘッド塗装 その6

今回は目の塗装後半です。

前回は瞳のベースまでがほぼ出来上がっていますので、今回はさらに瞳に虹彩を描き込み、さらにクリアを重ねながら目のリアル感を高め、眼球以外の目元の細部も描き加えながら仕上げて行きます。

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瞳部分の外周から中央の瞳孔部分に向かってのラインをまんべんなくできるだけ均一に、しかも線として認識しない程度に薄く何度も丁寧に書き込みます。
虹彩自体があまりシャープになりますと瞳の円が歪んで見当たり、一部分に情報が偏って違和感が出ますので、できるだけ均等に、判別できない程度の薄さで自然な感じの方が仕上がった際にはリアルに仕上がる筈です。
なんとも微妙な塩梅ですが、以上で目の描き込みがほぼ終了という感じになります。


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次に目の最終段階、クリア塗装です。
塗料は薄く解いたクリアを塗っては乾燥、塗っては感想を繰り返します。
手間をかけずに一度に濃い濃度の塗料を塗りますと、乾燥速度も落ち、球面の眼球全体に均一に塗幕が形成されないで不自然な光の反射の原因になります。
凹んだ部分にクリアが溜まり、涙目状態にもなりますので、薄く何度も繰り返し塗る事で均一な形状出のクリア塗幕が出来るのです。
私の場合、今回の1/6スケールなんかだと10〜15回は繰り返し塗り重ねます。画像ですと判別しにくいかと思いますが、画像22は5回クリアを重ねた状態。


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さらにクリアを塗り重ねて行きます。
やり過ぎには注意ですが、同時に瞼の内側にあたる部分などにも適度にクリア処理をして行きます。
画像23では10回ほどクリアを重ねています。


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目の最終段階です。
必要以上にクリアが乗ってしまった部分を適色にてトリミング処理、艶の調整を施します。同時に上瞼、アイラインをダークグレーにてしっかりと強調。下瞼の睫毛も気にならない程度に描き込みます。
眉毛等もこの時に描き加えて目元を引き締めておきましょう。

毎回が微妙な変化でして画像でどこまでお伝えできたのか?心配ですが、現物は確実に完成に向かっております。
後半の画像をはじめの画像と比べた時には明らかに変化している事はお解りいただける事かと。

次回はいよいよ最終仕上げとなります。

2012年1月14日 (土)

1/6アクションフィギュアのヘッド塗装 その4

さて、前回までで顔の肌部分の基礎がほぼ塗り上がったと言えるのですが、よく見える物に成るも成らないも、ここからが本番という作業です。
人の肌をアップで見た場合、一口に肌色と言ってしまう事のできないいろいろな色が存在しています。
赤みがかった所、黄色っぽい所、青っぽい所など、場所場所によって様々。
また、毛の生え際や伸びてきた髭なども皮膚の感じにいろいろな表情を与えてくれています。
という事で、そんな血色の細かな部分や細かな皺、毛穴や髭の跡などを一味加えて行く事によってリアル感を表現できるのです。613
①上瞼や下瞼にほんのりと極々薄めた青を塗ります。もみあげや鼻の下部顎周りにも薄めた青を綺麗に、塗るというよりも、細かくランダムに描き込む感じで色を乗せて行きます。

次に、ついやりすぎた青色部分を薄めた茶色で軽く覆うようにレタッチして行きます。
不自然な青みが馴染んでくるはずです。
その際に同じ薄めた茶色で額や目尻の皺、瞼周りの細かな皺表現を加えて行きます。
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①髪の生え際、目尻、瞼や鼻の下や顎周りに茶色で色が乗るか乗らないか程の極薄めた色でレタッチ。
②また同色にて細かな皺を表現して行きます。やり過ぎにはご注意を!

前段の行程でまた色が一段暗くなっていますので、ハイライト部分をアイボリー色で軽く立ち上げます。
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①額や頬、鼻や顎、耳等の凸部にハイライト処理、この際に一つ前で処理した細かな皺なんかのハイライトの処理なども行うとより効果的です。

以上の工程を必要に応じて繰り返して行きます。
納得するまで何度でも。
ところどころで気になる部分もあるはずですので、いろいろな角度からじっくりと向かい合って観察し、分析、そして実行です。
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①額や目元回り、ほほ、顎、口周りなどには何となく毛穴の皮膚感なども効果があります。
ぶつぶつと描いてしまうとこれまた不自然ですので、何となく、それらしく、よく見ると的な、かなりアバウトな感じで。
これでもかなりリアル感は表現できてきているはずです。

今回は1/6スケールだからこそ的な作業ですが、髭の雰囲気造りなどは1/35フィギュアでも十分に普通に効果が出ます。
今回の最後の画像、当初のオリジナルの物の画像と見比べてみてください。かなり雰囲気は変わってきている筈なのですが…。


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2012年1月 8日 (日)

1/6 アクションフィギュアのヘッド塗装 その3

※ご注意:ご紹介しております画像、毎回の変化は極わずかでして、一段階、二段階で比べた場合には見た目にはその変化が全く認識されない場合がございますが、確実に手が加えてあります。気を長くご覧いたければ幸いです。

前回までの作業でオリジナル当初からはかなり変わってきたのはお分かりの事と思います。今回は工程がやや戻り気味になりますが、明るめのアイボリー系の色で凸部分の色調をさらに上げて行きます。
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①凸部分の仕上がりの際のハイライトにあたる部分の作業ですが、今まで同様に極端にその箇所のみがベタッと色が乗ると不自然な事に。薄く何度も、線を描くように塗り重ねて行きます。


次に、ダークブラウンで今度は凹部を中心に前回のハイライト部分以外の調子を整えて肌に深みを与えて行きます。
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①凹部分を重点的に、それ以外の部分は極々薄めに塗り重ねます。この際、目元あたりにも同じように処理しておきます。


次に、黒の数歩手前辺りのダークグレーを使用して、全体の細かな箇所を引き締めます。
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①髪の生え際や目元、鼻や口、そして耳周りの最凹部を中心に塗るというよりは描き込む要領でそれぞれのパーツを引き締めます。必要最小限にとどめ、他の肌部分には塗り込まないようにしないと、汚い色味に転んで行ってしまうので注意が必要です。


次に、前段で塗ったアイボリーやダークブラウン、ダークグレー等により全体的に彩度が落ちていますので、基本の肌色や暗めのえんじ色を全体的に目立たない様に、適度に彩度が上がる感じに塗って行きます。
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①ハイライト近辺では肌色を薄く塗って行きます。
②シャドー部近辺は彩度が上がって行く感じに赤みを付けて行きます。

今回はここまで。
冒頭にも書きましたが、今回は特にその作業による結果が極端に表れていないかもしれません。実際の場合には割愛しても差し支えは無い事でしょう。しかし、この地味な作業こそが、最終の段階での大きな差に繋がって行く事を是非ご記憶ください。

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2012年1月 2日 (月)

1/6 アクションフィギュアのヘッド塗装 その2

新年明けましておめでとうございます。

まだ始まって日の浅いブログでございますが、本年もよろしくお願いいたします。

前回は化粧で言えば顔に白粉(おしろい)を塗った所で終了しました。

次は、のっぺりとしたお肌に血色を与える意味合いも含め、オレンジを塗っていきます。
オレンジというと驚かれるかもしれませんが、色のついた水溶液風な感じまで薄めて、あくまでも下地にほんのりと色が乗る様な感じで塗って行きます。(画像6)
全体的に塗りますが、光の当たる凸部は薄めに、影になる凹部は濃い目に塗っていきます。
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①目元上部、鼻下部、唇下部、顎下部および耳等の凹部にうっすらとオレンジ色が付く程度に塗っていきます。
②額、鼻、頬骨、顎あたりの凸部分はできるだけ下地の色が生きるように薄めに。


次はほんのり赤みがかった肌に、さらにシャドウ部分の重厚感を加えるためにくらい赤茶(えんじ色)を加えていきます。(画像7)
オレンジの時と同じように、薄く色を乗せていきます。
先ほどより印影が強くなり、引き締まってきた感じがお解り頂けますでしょうか?
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①前回と同様の手順で、濃いえんじ色を凹部分に色味を加え、さらに立体感を深めて行きます。


そして次ですが、やや暗くなってきた肌に再度血色を加える為の赤と、さらに黄色系も合わせて単調なお肌に変化を加えて行きます。
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①凹部分を主体に肌の赤身をさらに付けて行きます。
②前回塗ったえんじ色により全体的に暗いトーンになっていますので、やや彩度を上げる意味で黄土色を全体に薄く塗ってきます。

徐々に徐々にではありますが、このようにして変化して行く様、どことなく命が少しずつ
宿り始めているかの様な気さえもしてしまう、私だけでしょうかね~?(笑

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2011年12月24日 (土)

1/6 アクションフィギュアのヘッド塗装 その1

さて、2回にわたっての記事で、フィギュアの魅力が少しでも伝わりましたなら幸いです。
今回からはさっそく塗装の始まりです。
塗装の工程なども解りやすくできるように、1/6 のアクションフィギュアのヘッドの塗装を取り上げてみました。
しかもキットではなく一応完成品(?)ですので、ベースはそのままにリペイントのみを施し、変化して行く有様をご覧いただこうと思います。

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参考までにですが、1/6アクションフィギュアのオリジナルが画像1、私のビネット仕立てでリペイントしたものが画像2です。
かなりの変貌を遂げているかとは思っておりますが、いかがでしょうか?

今回のモチーフは、かれこれ10年以上前に発売されたドラゴンの2体セットの物。(画像3)
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当時としてはかなりの良い出来に感動しましたが、今こうして手にしてみますと、年月の流れが感じられてしまいます。
肝心のヘッドはドラゴンらしいオリジナルの造形で、良くも悪くも当時のドラゴンらしいアイテムです。
現在では他社製品でも超絶リアルな商品が続々と登場している中にあっては、やや見劣りしてしまうのは否めません。

そんな物でも、ヘッドの塗装のみを施すと…、あらあらなんて素敵な…、というのが今回の趣旨でございます。
製作といってもただ単に塗料を塗って行くだけの単純お気楽な作業ですので、1/6ではなくとも参考にして頂けたらと思います。

2体の顔のアップです。
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ライティングしてあるので各部の陰影はありますが、生で見ますとほとんど成型色のみです。

それでは塗装に入りましょう。
まずは下地色となる色を塗っていきます。
目や口、髪の毛等は後ほど塗装するので、それまでのイメージを掴みやすくするためにベースを残しつつ、お肌の部分に色を塗っていきます。(画像5)
使用する色はフレッシュで、一般的には肌色といわれているものですが、白が強めの肌色を塗装しています。
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凹凸に関係なく肌部分全体に下地の色味が隠れるくらいに塗って行きます。厚塗りの際に出る筆目には注意が必要です。

まずは、化粧で言うところのファンデーションを塗ったところです。

次回は具体的に陰影をつけて行く作業をご紹介いたします。


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