ベビーゴジラ Feed

2012年9月16日 (日)

ベビーゴジラ その8(最終回)

さてさて、しばらく続きましたベビーゴジラ、いよいよラストです。
なぜに今ゴジラ?しかもハリウッド版?んでベビーゴジラ??と言う事なのですが、2014年5月16日には公開予定の新作ハリウッド版ゴジラに期待も高まる中で、結構力が入っていましたよね、以前のハリウッド版も、確か?的な意味合い含めて、な訳です。
CGとは違う、あくまで作り物に拘る魅力がたまらない所。どう仕上がりました事やら?

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画像1、前回以降は細部の微調整で全体の色相のバランスや、細かな描き込み等での最終調整となります。
全体的な茶系の色味を保ちながらも、暗く、そして不気味な青みの背びれも追加表現してあります。

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画像2、やはりフィギュアの肝は目に尽きます。
何かを訴えかける様なしっかりと意志を持った表現が出来ると、頑張った甲斐が有ったというものですが。

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画像3は左画像は実際の劇中本編のベビーゴジラ。
右画像が今回の仕上がった状態のもの。
いろいろとその違いは否めないものが有るとは言え、そのイメージは結構近いものになったかと…。
あの玩具が、こうなった訳ですから、ね。

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画像4はおなじみの背景設定有り状態のワンカット。
今回も本編のワンシーンを利用してあります。
こんな廊下をウヨウヨしていた訳ですよね、劇中の中では。

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画像5では背景を建物炎上風景に。
チープな特撮的な風合いがなんとも言えませんです。
こうなるとベビーゴジラの意味合いが薄くなる訳ですが、これまた楽し♪

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画像6、この一枚のために今回も頑張って来た、決めカット。
やはり映画ネタは面白いのがこんなワンカットを見るだけでもつくずく感じてしまいます。
そんな訳で今後もやりますよ、どんどん!映画ネタ。あら、そろそろ次回のネタも仕込まないと…、ですね〜笑)

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2012年9月 2日 (日)

ベビーゴジラ その6

なかなか暑い日々が続いておりますが、皆さんは体調等崩されていませんでしょうか?
年齢とともに、体感温度もなかなか厳しく感じますが、もうしばらくの辛抱、ですね!
今回は目の仕上げ段階。あと一息という感じです。
前回までの作業で眼球自体の立体感が出来て来ましたが、更に今回は多様な色を使って質感に深みを増して行きたいと思います。
まずは瞳孔の黒い部分の面積をやや広げながら白目部分との境目のグラデを表現します。

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画像1では更に瞳孔中心部のホワイト部の面積も前回よりも広げ、気持ち青みをプラス。
そして本当の瞳孔の中心部に当たるを縦長のラグビーボール状にオレンジにて描き込みます。
これが劇中設定のベビーゴジラの本当の状態の様なのでした。
なんと複雑怪奇な事にしてくれているのやら〜♪最後に眼球の周辺部分を一段暗めにシャドーを入れて目の塗装段階が終了です。
思ったよりもずいぶん時間がかかってしまいました。

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画像2ではいよいよお決まりのクリア塗装です。いつも同様、塗っては乾燥塗っては乾燥の繰り返し作業、水性のクリアですので、ラッカー塗料等の様に「カブリ」などは起こりにくいのもこの時期ありがたいですね。
どんどん塗り重ねて行くうちに表面の凹凸も次第に滑らかに、塗装で描いた眼球の細部もしっとりと深みのある状態になって行きます。

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画像3では更にクリア塗装は続きますが約10回程繰り返し塗り重ねた状態です。
その間に目元の上下のディティールもリアルな感じになる様にハイライトやシャドウ処理でお化粧しておきます。
そうしておおよその完成です。

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画像4は目元のアップ。
幾重にも描かれた眼球の状態が分かります。
そして塗り重ねられたクリアによってググッと深い色味に仕上がってくれました。
言い忘れていましたが、今回の画像1の状態での最終段階にてうっすらと水で溶いたゴールドを隠し味程度に塗布しておきました。
金色に塗った感じではなく、光の角度によって金粉が煌めく程度。
やりすぎますと今までの作業が全て水の泡、になってしまいますので、さじ加減が微妙ですが、クリア塗装のあとに、なんとも絶妙な光り方をしてくれます。

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画像5、今回なかなかお目にかかれなかった左側の目、こちらも同時進行でしたがこんな感じになっています。
アップにすると、なかなかエグイ事になっていますね!?
目元周りの細かな描き込みもリアルな表現には欠かせませんので手は抜けない所です。
なんとも怪しいまなざしになった所で今回の目元の塗装が終了なのでした。
オリジナルの状態と身比べて見てくださいね。獰猛さに拍車がかかっている筈ですが…。

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2012年8月20日 (月)

ベビーゴジラ その4

前回はおおまかに3段階で塗装の段階を紹介いたしましたが、この手の塗装、何回塗れば終わり、という事は無いので満足行くまで何度でも、塗り重ねていきます。

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画像1では上げすぎた彩度をやや押さえながら、それでいて細部の微妙な色味を残しつつ全体的なトーンの調子を整えます。
グレーや黒、ベージュ系の色で一皮被せる様なフィルターを掛けた様な雰囲気でしょうか。
こうしてみると、作業自体は行ったり来たりの繰り返しですが、あくまでも仕上げのイメージに近づける為の作業、一発で想い通りのイメージになったなら、そこでオッケーなのかもですね。

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画像2前回の画像6と比べて見てください。
全体の彩度がかなり押さえられ、暗めになって来ました。
ここでも塗装の際にはウォッシング的なやり方とドライブラシ的なやり方を併用しながら塗り重ねていきます。

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画像3では更に次のステップ。
上面の茶系や青系、ブラック系をあくまでも部分部分で使い分けしながらランダムに塗り重ね、皺の谷間には明るめのベージュ系を流し込みながら立体感とリアル感を強調します。
凹部だから暗いだろうというイメージだけでは成立しない箇所です。
生きた爬虫類や両生類の皮膚なんかがイメージの参考です。

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画像4角度違いと頭部側面のアップ。
寄って見た場合には明らかに作業の始めとは変わって来ています。
皮膚の質感がいろいろな色味によってリアルになって来たと思います。
単色のみではなかなかこの様にはなってくれないのですよね。

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画像5左が参考の実際に造られたベビーゴジラの資料、右が現在の物。
仕上がりまではまだまだでは有りますが、かなり近いイメージに向かっています。
スケールの違いによるオミットされたりオーバースケールなモールドなどが主な原因ですが、子供のおもちゃとしてはかなりの出来だと改めてうなずいてしまいます。
途中から目をホワイトで塗装しましたので、当初のバタ臭さは無い物の、らしさとしてはやはり物足りない状態な現状。
次回はいよいよ目の塗装に着手でベビーゴジラに命が吹き込まれる?どうなりますやら〜♪

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2012年8月12日 (日)

ベビーゴジラ その3

暑さと寒さ(?)寒暖の差が激しい今年の夏ですが、皆さんも体調にお変わりはなかったでしょうか?
模型制作にはなかなか辛い季節ですが、ここは踏ん張りどころです。
と言う事でベビーゴジラ、いつになく細かな作業で手を入れてみましたが、今回からは塗装段階。
本来は塗装前にサフェーサー等の下地処理が望ましいところですが、オリジナルの塗装も結構な塗膜の厚さ故、今回はそのままオリジナル色に塗装して行く事にいたします。

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画像1はその第1段階、下塗りの意味で、パテ等で手を入れた箇所とそれ以外のオリジナルの色の差が目立たないように同系色にて塗装します。
この後にどんどん色を乗せて行きますので、若干の違和感は気にしません。
画像で見ると、元々がこんな仕上がりだった気さえして来ますが…。

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画像2は頭部とボディー側面の状態。
やはり口回り以外は元がこんな感じなんでしょ?的な段階で、実際にはここからがスタートと言っても良い段階です。
それにしても、アップにした際の各部所のモールドの意外な程繊細な造形には今更ながら感心です。

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画像3は塗装第2段階。
表皮上面は暗めの茶系でトーンを落とし、表皮下面部はアイボリー系を塗ります。
どちらも最終のイメージに近い色で大雑把に塗っておきます。
当初のオレンジっぽく鮮やかな色味がグンとおとなしい色にトーンダウンしました。

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画像4ボディー側面のアップ。
いつもながらの事ですが、一気に下地を塗りつぶす事無く、下地の色味も部分部分で生かしながら塗り重ねて行った際のランダムな感じが、後々でも効果的になって来ますので、あくまでも全体のバランスを掴む事が大切です。

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画像5、塗装の第3段階では更に緑系や赤味なども加えて行った状態。
上面には恐竜に近いイメージと言った雰囲気を持たせるために、緑系や紺系をランダムに。
下面部にはやはり爬虫類や両生類のイメージに近づけるようにアイボリーのベース部に赤味を加えて血色感を表現します。

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画像6、多少オーバーなくらいにしておいた方が後の作業の軌道修正の意味合いの方向が掴みやすくなるかもしれません。
今回の様なアイテムは、表面の凹凸の度合いで、凹部の塗装は墨入れ的な感じで、凸部の塗装はドライブラシ的な感じでと、それぞれ使い分けして行くと作業の進行時の変化がより分かりやすくイメージも掴みやすいと思います。
作業を重ねる度にどんどん変化して行く様はなんとも言えない充実感が味わえます。
模型の醍醐味なのでしょうか?

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2012年8月 6日 (月)

ベビーゴジラ その2

前回はオリジナルのベビーゴジラのご案内でしたが、今回は塗装前の下準備として、造形的に気になる箇所に簡単に手をかけます。
トイ全体に言える事ですが、成型時のパーティングラインやパーツの合わせ目部分に関しては多くは期待でません。
しかもまずい処理を塗装の塗膜を厚くする事で目立たなくしてある事も有るのでよく観察しなければいけません。
そんな辺りにも注意しながらしっかりと気になる箇所をチェック、です。

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画像1左上はさてなんでしょう?右上と左下はボディーの合わせ目部のパテによる修正。
右下は足の爪の簡単なディティールアップの状態。
全体的な形状に合わせてパテを盛り、ディティールの形状も近辺との違和感が出ないように出来るだけ合わせておくと後々の効率が上がります。

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画像2必要な各部所をパテにて修正を加えた全体の状態。
腕、足、しっぽの付け根近辺は特に仕上がり後のバランスに大きく影響します。
手足の爪もほんの少しの作業で大きくイメージが変わる箇所。特に今回手をかけたのが口周りで、口の中のディティールや舌の形状変更、そして牙の扱いを変更してあります。

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画像3ボディー各部所のアップ。
必要最低限の修正に停めてあるのが分かると思います。
この辺の作業は、やり過ぎると全く持ってキリが有りませんです。

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画像4左は爪部分のアップ。
オリジナルでは寂しい形状でモールドもだるいのでシャープにして存在感をアップします。
口元もオリジナルではかなり悲しい事になっていましたので、牙は全て切り離してパテにて新造。
画像1の左上の画像は実はこの牙の元になるパーツの途中の物。
1ミリ程の極小の物ですので細心の注意が必要です。
舌の形状も資料を参考に造り直しておきます。

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画像5各部所の別アングル。
簡単なディティールアップですので、作業は出来るだけ緻密に考えた上で一気に済ませます。
見せるポイントを絞り込んでおけば途中の迷いは無いと思いますが、作業途中で考えだしてしまうと、なかなか進まずに、最悪そのままお蔵入りなんて事にもなりかねませんね〜。
それにしてもオリジナルの目、何時見ても変ですね。

と、ここでご案内ですが、「北海道モデラーズエキシビション」が8月18日(土)・19日(日)の開催となります。北海道内外のモデラーが一堂に集う年に一度のお祭り、お時間のある方は是非お越し下さいませ。今年も昨年同様に、ホール、アトリウム、ルームでの3会場での開催ですので、是非くまなくご覧くださいませ!

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2012年7月30日 (月)

ベビーゴジラ その1

夏も真っ盛り、30度を超えると道産子にとっては辛い物が有ります。
皆さんもこんな時期にはしっかりとした体調管理で乗り切ってくださいませ。
ということで、何時公開なのか?が気になるハリウッド版リメイク「ゴジラ」ですが、1998年のハリウッド版ゴジラ、こちらは当時燦々たる酷評に打ちのめされていましたよね。

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画像1は昨年手掛けたそのハリウッド版ゴジラのハンドパペット。
中は中空で手を入れて遊ぶトイ。
1998年の映画公開に合わせてこんな子供向けのトイが結構販売されていました。
そこそこ大きくて小柄な犬程のサイズの物ですが、リペイントで劇中の造形に結構近づいた出来に…。
トイ、恐るべし、です。
当時はスポーンなどのフィギュアも結構売れていましたし、トイ絡みの活気はずいぶんと賑わっていました。

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画像2右の画像がリペイント前のオリジナルの物、子供向けとは言え、結構馬鹿にした造りなのでした。
しかしながらよくよく見るとモールド等はかなり手の込んだ造りに。
塗装にひと手間掛けてくれれば、さぞや素晴らしい事になっていたでしょうに。
まあ、こうした版権絡みの物にはよく有る事なのですよね〜。

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前置きが長くなりましたが、画像3左が今回のテーマの物、ベビーゴジラのアイテム。
こちらは全長20cm程の小柄な物。
ご丁寧にダメージを受けた後が肋骨横辺りに表現されています。
何処の誰がこの造りに喜んだのでしょうね?右画像が劇中の画像。
比べるとなんだか全く違うのでは??個人的にはかなり好きな部類です。

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画像4ブリスターから取り出した状態。
なんとも言い様が有りませんです。
ゴジラというより、安っぽいティラノサウルスか恐竜グワンジと言ったところでしょうか。
普通は欲しいとは思わないかも?まして購入となると…(笑。持っている私はいったいぜんたい??

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画像5初公開の私の手、はどうでもいいのですが、手にした感じがなんとも安っぽい雰囲気ぷんぷん。
ほんじゃ逆光で寄ってイメージ風にしたら?が右の絵、どうにもなっていません、ですか?(笑。
何がいけないのでしょう?モールドはそこそこ雰囲気が出ていますが、やはり全体の色、何よりも目。そして口元の表現、でしょうか。
という事で、今回からこの悲しい運命のベビーゴジラをなんとか画像3の劇中の雰囲気に似せる事が出来たら良いな作戦の開始なのでした。

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