ロード・オブ・ザ・リング ゴラム Feed

2012年3月11日 (日)

ゴラム(スメアゴル) その2

今回からゴラムの実際の塗装の始まりです。
前回は造形に関してはそのまま、としましたが、実はほんのわずかに手を加えてあります。
腿とふくらはぎの密着部分と脚や手の密着部分をほんの少しだけ掘り起こしてあります。
そのままで塗装のみでの表現も全く問題はないのですが、ポリストーンやレジン、ソフビなどの素材の凹部分のモールドは抜きの効率の関係でどうしても甘い物が多いと言わざるを得ません。
特に気になる場合にはほんの気持ち掘り起こす事で塗装した際にも更にシャープな印象になる事があります。
今回は本当にちょこっとだけなんですが…。
さて、塗装はと言いますと、今回の物もオリジナルの色を生かしながらの塗装といたします。
自分のイメージにこだわりたい場合にはサーフェーサーなどの下地処理も有効です。
慣れてきますと、どちらでも特に問題はないのですが。工程上の満足度合いは下地処理をした場合の方が高いかも?です。

G21

画像1では手始めに下塗りも兼ねて肌と同系の肌色を塗ります。
あくまでも次からの塗装における下地的な感覚で、厚塗りにならずに下地の色味が透ける程度の感じで全体にまんべんなく塗って行きます。この際に、あまり塗料を薄めにしすぎると次以降の塗装の際に下地ごと剥がれる危険も有りますので、本当に適度な濃度が求められます。次に今回は一気に茶系の色でシャドウ部の色を塗り込んでみました。
塗り込むと言ってもあくまでウォッシング程度で肌の立体感を早い段階で掴んでしまおうという事なんですが。
このように色を塗り重ねる際には仕上がりのイメージを常に把握できる行程で進める事が自分のイメージに近づける為にも有効だと思います。

G22

画像2は顔のアップ。
まだ前回の画像と比べてもさほどの変化は見られませんが、しっかりと塗られているのです。
それにしても、なんともすっとぼけたこの表情、熱烈なファンの方はそうは居ない事でしょうね?
映画のキャラとしてはとても重要な役なんですが。

G23

画像3は次の段階の塗装です。
茶系で締めた分全体の色調が暗くなっていますので、肌の凸部分に当たる箇所に最初の肌の色よりも数段階明度を上げた明るめの色を塗って行きます。
ひとまずはシャドー部とハイライトが塗られた事で当初よりも立体感が出てきました。
ここで改めてこの後のイメージの色調を考えますと、オリジナルもそうでしたが、ここまでの塗装では単純に肌色を基調の考えで塗っているにすぎません。
ゴラムのイメージとは?と考えると、薄暗い洞窟などで生の魚などを食している何とも動物の本能で生きる存在、しかも既に百年以上もの間こんな暮らしをしているのでしょう。
血色が良い筈が無く、まして日に焼けた健康的な褐色ではない筈。劇中ではCGでの描写である事や、劇中の光源を意識した色に強く左右され、はっきりとした肌の感じは掴めませんが、色白であちこちには吹き出物やシミの後も、傷や汚れもただ事ではないでしょう、きっと。
今後は色々な資料も見ながら、あれこれと想像を巡らせながら進めて行く事になります。
という感じで、画像3では更に全体的に黄色味を加えて塗ってみました。

G24

画像4は顔のアップ。黄色みを加えたハイライト処理ですが、正直、まだまだ手始め段階。
この後どのように変わって行くのかは、正直な所私自身にも?なんですよね〜!(笑

ガンプラ、カーモデル、スケールモデルの模型工具専門店-スジボリ堂

2012年3月 4日 (日)

ゴラム(スメアゴル) その1

今回からはちょっと真剣にフィギュアのリペイントの再開です。
何が真剣なのかというと、物が完成品としてのスタチューフィギュアが相手、なのでした。
通常はコレクション的な要素のとても強いスタチュー系、迂闊に手を掛けるのはためらいがちです。
こだわりだすとキリが無いので造形面は手をつけずにリペイントで満足の行く物に仕上げたい、と。
今回選んだのは映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでおなじみの「ゴラム」。
とは言ってもまだ良心の残る「スメアゴル」なのですが。
「二つの塔」のDVDギフトセットとして販売された物のに同梱されていたフィギュアです。
ある意味希少価値が有る?のかも??ですが(笑)
同映画の一作目が公開されたのが2002年というのですから既に10年を迎えようとしています。
そして今年の末辺りには新作の「ホビットの冒険」が公開予定というからまたまた記憶がよみがえって来るという物です。
ゴラムの登場も有るらしいのですが、その辺りはまた別の機会に。

G1

画像1がパッケージ、サイドショーの製品です。
フィギュア自体の底面には何やら関係のありそうな印刷が…。
フィギュアの出来はかなりの物です。それもそのはず、公開に向けて映画の製作スタッフの一人が直接手掛けているとの事。
フィギュア制作には監督のP・ジャクソン本人の指導も有ったとかで、文句の出様が無いのもうなずけます。

G2

画像2はフィギュアの全体ですが、撮影用のライティングのため、やや陰影が強調され、このままでも十分、と言った具合に見えてしまうかも?
実物の肌の感じは若干の色の変化は付いている物の全体的にフラットな単調な仕上がりで、とってももったいない印象。
大量生産としての商品ゆえの宿命、こうして手に出来る事自体がありがたいと思わなければ?かもですが。
近年は出来の良いスタチューや完成品のフィギュアが次々に出ていますが、安くなったとは言え数をこなすにはなかなか経済状態にも限度が有るというもの。
趣味の世界は奥が深い泥沼状態ですが、以前のようにガレージキットなんかももっと精力的に出て欲しいものです。
ちなみにスケール的には約1/6程度と言った感じ。
全く同じポーズの1/1の物も有るようです、是非見てみたいものですね〜。

G3

画像3はお顔のアップ。皺や皮膚のモールドが気色悪いほどに良い出来です。
一つ気になる部分は、後々の塗装を前提の造形ではないため、眼球、特に瞳の部分が凹モールドになっている事。
海外の造形物の場合、彫塑としての意味合いも強かったりする場合が有るために、よく見受けられる処理ですが、この後の塗装の際には厄介な事になる危険が。
今回はモールドには手を付けずに処理する事にするつもりですが、果たしてうまく行きますやら?
よりリアルにする上では髪の毛なんかも削り落として植毛なんて言う手も有りますが、あまりにグロくなってしまいそうですよね?(笑)

今回はアイテムの紹介だけになってしまいましたが、お気に入りのフィギュア選びの際に、好きという事だけではなく、色々な面から検証、考察して行くと手掛ける作品に深みが増して行くという事になるのではないでしょうか。
良い物をより良く仕上げるためにもとても重要な事だと思います。

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2012年1月22日 (日)

1/6アクションフィギュアのヘッド塗装 その5

前回で概ね、顔肌の塗装が完了しました。
本来キットの塗装やサフ掛け後の塗装の場合には、基本塗装後に目の塗装をするケースが多いです。

これは、早めの段階でのイメージを位置づけする為ですが、それだけ顔の最重要ポイントは「目」であるという事です。

目は口ほどに〜と言うように、目の表現次第で喜怒哀楽が、そしてそのフィギュアの内面的な人格さえもが表現できる、と言えるのかもしれません。
という事で今回は目の塗装。

回を重ねるお肌の塗装に反し、目だけはオリジナルのままの塗装となっています。これで一応のイメージが掴めていましたがやはりこのままという訳には行きませんよね!


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オリジナルのままの目。
このままでも良い雰囲気ですが、よりオリジナルに仕上げる場合や、無塗装物には当然避けられない工程で、しかもかなりの重要な部分です!
演出で書き込まれているアイキャッチも当然消して行く事になります。
小スケールの場合には逆にアイキャッチを敢えて入れる事でリアル感を演出する事にもなって行きます。
睫毛や瞼の内側などの表現にも注意が必要になります。


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まずはブルーグレイに想定した瞳の下塗りです。
瞳孔は後ほど加えますので、瞳自体の立体感を持たせながら、中心部は明るめに、外周部は馴染みながらもやや濃いめになるように塗り重ねます。
出来るだけ線を描いた風にならないように。
この段階ではかなりうつろな表情の印象です。
「あしたのジョー」のジョーが打たれた後のマットでひれ伏した時の目が似た印象?


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次に瞳の外周部をさらに濃いめに塗って行きながら、瞳孔部も描きます。
目元周りの気になる部分も同時にレタッチすると良いかもしれません。
瞳孔が入るだけでしっかりとした気が伺える様な感じがしてくる筈です。


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シャープすぎる場合には再度明かるめに調整しましょう。
小スケールでは上段の感じで全く問題ないと思われますが、1/6ともなるとやや不自然すぎるシャープな表現は嫌みに繋がるかも?

細かな細部を実際に表現しようとする際に、頭の中のイメージだけですと、どうしてもコレ!という様にならない場合も出てきます。

そんな際にはお手元で目の掲載されている雑誌等の画像が非常に参考になる事と思います。
Web上でもかなり参考になる物が有りますので、作業の途中、もしくは開始前に、そんな資料を見ながら自分なりのイメージを掴むと、より納得できる物になって行くのではないでしょうか。

という事で、目の塗装、次回に続きます。


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