2014年11月

2014年11月28日 (金)

今月から製作記事を書き始めてから11月最後の週の製作記になりました。
毎週計画を立てながら製作に没頭してると1ヶ月なんてあっという間に過ぎて行っちゃいます(^_^;)
気づけばもう今週11月最後の製作記とは・・・
きっと充実している証拠ですかね~♪
では本題に入りましょう!



今回も先週に引き続いてカーボンデカールについて紹介します。
前回はデカールの貼り方について色々書きましたが、今回はデカールを貼り終えた後の加工について紹介させていただきたいと思います。
まずは今回の製作に使用した道具です。

024スジボリ堂モーターツール静芯です。
名前の通り、芯のブレがなく驚く程静かです。
無段階に回転数を調整でき、低回転から高回転まで優れたトルクを発揮します。
正回転、逆回転もでき多用途で使える高性能モーターツールです。

②本体に接続して使用するリューター本体です。
握りやすく持ちやすいグリップで長時間の作業も手が疲れにくいです。
ワンタッチのチャックでビットなどの付け替えもラクラクです。

③フットペダルです。
任意に回転数を設定しておけば、ペダルを踏むだけでオンオフが可能になります。
両手が使えるので作業に専念できるのが嬉しいアイテムです。
まるで歯医者さんになった気分です(笑)

コバックスのバフレックス#3000です。
ペーパーというよりは、フィルムに近い感じの素材で、裏面に糊が付いており、硬質のスポンジにつけて使用します。
#3000といっても切削能力は高くそれでいて余計な傷がつきません。
最終仕上げの研ぎ出しには欠かせないアイテムです。



次に研磨に使用した道具です。

023①ロックペイント社製のマルチトップウレタンクリアーです。
主剤と硬化剤10:1で混合しそのままでは粘度が高いので、専用のエコシンナーで希釈して吹きます。
ラッカーには無い深みのある艶と光沢はウレタンならではだと思います。
経年変化も殆どないので、大事な作品を綺麗な状態で保つことができます。

システムコンパウンドセットです。粗め細め極細の3種類が入っています。

マイクロポリッシャーです。
静芯に取り付けて、コンパウンドをつけて使用します。 

研ぎ出しクロスです。
磨きの最終仕上げに効果を発揮するクロスです。


今回はこれらの商品を使ってウエットカーボンの表現方法を紹介していきます。

022①カーボンデカールを貼り終えたエンジンパーツです。エンジンルームで一番目立つ部分です。
ちなみにデカールは貼ってから水気が抜けるまで2日程乾燥させましたがいきなりウレタンを塗装してデカールが浮いてこないようにラッカーのクリアーを塗装してデカールの浮きを抑えます。
この時一度に多く吹くとデカールを痛めてしまうので、あくまでサラッと塗料を乗せる感じにしましょう。

②ウレタン塗装をしたくない部分や、細かいモールドがある部分はあらかじめけマスキングをしておきます。
ウレタンは塗膜が厚いので、繊細なモールドはすぐ埋まってします。

③ウレタンクリアー塗装完了!
既に艶が出ています。
しかし表面は多少ボコボコしているので、先ほど紹介したバフレックスで表面を研ぎ出しします。

リューターにマイクロポリッシャーを取り付けてコンパウンドをつけて粗めから極細を使って力を入れすぎないように優しく磨いていきます。
この時、リューターの回転は低めで使用します。
リューターの扱いが慣れないうちに高い回転で使用すると、パーツの破損や下地を出す原因になります。
また、マイクロポリッシャーの破損の原因にもなります。

必ず低回転でじっくり磨くことが綺麗な光沢を出すポイントです。

020以上でウェットカーボンの表現方法について紹介しました。
では、逆にドライカーボン風に仕上げる方法について。

025デカールを貼ってウレタンクリアーを塗装して研ぎ出しまではウェットカーボンの時と全く同じです。
ここからドライカーボン風にするにはラッカーのつや消しクリアーを吹くだけです。

超簡単!


以上です・・・



019この作業をカーボンデカールを貼ったパーツ全てに施し車体は概ね完成です。
ここまで来ればかなり進んだと言ってもいいでしょうね。
次回12月の一発目は内装に着手していきたいと思います。

ではまた来週~♪



ガンプラ、カーモデル、スケールモデルの模型工具専門店-スジボリ堂

2014年11月21日 (金)

日を追うごとに寒さもましてきた今日この頃、平野部でも場所によっては雪が降っています。
そろそろ私の車もスタッドレスに交換しなければと考えてます。

この時期は寒くて何をするのも乗り気にはなれませんが、模型だけは俄然やる気に満ちてます!(笑)



さて今回はカーボンデカール貼りについて紹介していきたいと思います。
今まで数々の作品を振り返ってみると何かしらカーボンデカールを使った物が多い気がします。
特に最近のレーシングカーはカーボン素材を多用しているので、キットも必然的にカーボンデカールを貼った方がより『リアル』な作品になります。

各メーカーさんからも多種多様なデカールがリリースされています。
それだけ需要があるということなんでしょうね。
そんな中で今回はタミヤから発売されているラフェラーリ カーボンスライドマークセットを使ってリアルに仕上げてみようと思います。

02_3

自分で形を合わせて切り出さなくてもいいように分割してあるところがいいですね。
これだけで作業時間が相当短縮されるのでこの配慮は助かりますね。

さて続いて私が普段デカールを貼る時に使っている道具も紹介しちゃいます。


01_2

まずはデカールの切り出しにはタミヤクラフトツールのデカールバサミとオルファの細工カッター(角度30°)を使っています。
特に細工カッターは刃先が見やすいので今回の複雑で余白の狭いデカールには非常に向いていますね。
次にデカールを定着させるために私はハンダゴテを使っています。
使い方としては、水に浸した綿棒をハンダゴテで温めて貼ったデカールの上から綿棒を転がすようにして曲面になじませる方法です。
この方法でかなり難しい曲面も比較的簡単に貼ることができます。
しかし今回のラフェラーリ専用デカールは少し糊が弱くデカール自体にしなやかさが足りないので、私が普段愛用しているMr.マークセッターも使いました。
Mr.マークセッターはデカールを柔らかくする他に定着を助ける用途もあるので、曲面などの複雑な形の物に貼る時は非常に便利なアイテムです。

05_3

06_5

しかし、デカール軟化剤は塗りすぎると希にデカールを溶かしてしまう事があるので注意が必要です。
特に古いキットに付属しているデカールは溶けやすい事があります。
使用する際はデカールとの相性を事前に知っておく必要があります。

といった感じで今回は私なりのデカールの貼り方について紹介させていただきました。デカールの貼り方や道具など参考にできるものがあれば、試していただけたらと思います。

次週は今回貼ったデカールに更なる加工を施した状況を紹介したいと思いますのでお楽しみに。



ガンプラ、カーモデル、スケールモデルの模型工具専門店-スジボリ堂

2014年11月14日 (金)

11月に入りより一層寒さが身にしみますね。
私も北海道に生まれ育って39年来毎年のこととは思いつつ寒さには嫌気がさします・・・。
もうそろそろストーブの出番かもしれないですね。
今月から電気代も上がり燃料代も嵩むこの時期は懐も寒いですよ(涙)
しかしそんなことばかり言っていても仕方ないので、どんどん手を動かしていっちゃいましょう! 


02_2

今回は足廻り、特にブレーキの製作に着目して手を入れてみました。
ブレーキディスクのピンホールのモールドを今回は0.4mmのピンバイスで穴を深くしてみました。
狙いとしてはピンホールモールドの強調とディスクをシャープに見せる事です。
スミ入れでも良いのですが、後の工程に支障があるので、今回は穴開けを選択しました。



04_4

ブレーキキャリパーがレッドという事で、下地にサーフェイサーエヴォホワイトを吹き、バルケッタのフォーミュラーレッド/F10を艶が出る程度に吹きます。

06_3

レッドの塗装が完了後キャリパーをマスキングします。
センター部分にセミグロスブラックを塗装し、更にマスキングをしてあるのですが、その時に使った私の便利道具をちょっと紹介させていただきます。



05_2

プラッツ スーパーパンチコンパス サークルカッターです。
最小で1.5mmの円まで切り出せるので使い勝手は非常にいいです。
値段も1080円とお手頃価格!
マスキングも綺麗な塗装には必要なことなので、ありがたいアイテムだと思います。 



07_2

さて、今のこの状況はといいますと、、、
今回ディスク部分には私のこだわりでガイアノーツのグラファイトブラックを塗装しています。
カーボンブレーキの質感を再現するにはと色々試した結果この塗料にたどり着きました。
綿棒で擦っているのは、パッドが当たった部分を想定してながら使用感を再現しています。



08_3

後は細かい部分を筆塗りして、フェラーリロゴのデカールをキャリパーに貼って完成です。
完成後もかなり存在感がある部分なので、しっかり塗装したいところです。



09

さてこちらのハセガワのミラーフィニッシュです。一体どこに使ったかといいますと、、、

010

ショックアブソーバーのピストンロッドに細切りにしたミラーフィニッシュを巻き付けるように貼りました。これによってパーツの立体感と難しい筆塗りの塗装を省略するのが目的でした。
手軽に綺麗にが私の目指すところでもあるので、この方法はかなり効果的だと思います。
特に昔のF1やバイクなどサスペンションがむき出しの車体には向いていると思います。


以上が今回の製作記の内容でした。


あまり小難しいことは正直私も苦手なので、いかに簡単に効果的な方法綺麗に製作できるかを模索しながら日々製作しています。
製作スタイルやアプローチは人それぞれ違うでこれが正解ということはありませんが、少しでも参考にして頂けることがあれば嬉しいです。
次回はカーボンデカールの貼り方を紹介していきますのでよろしくお願いします!

 

ガンプラ、カーモデル、スケールモデルの模型工具専門店-スジボリ堂

2014年11月 7日 (金)

皆様、初めまして。

この度スジボリ堂さんから製作記連載の依頼を受けました「まこっちゃん」と申します。

私は北海道で主に展示会等に出展したり、過去には模型雑誌にもライターとして記事を何度か掲載しおりました。

今回関係者様よりお話をいただき、製作記事を紹介させていただける機会を設けていただけることになりました。

私が主に手がけているのは1/24や1/12の車と1/12や1/6のバイクが多いですが、ごくまれにガンダムやキャラクターなどの模型も製作する事もあります。

連載にあたっては、私が昔から愛用しているスジボリ堂さんの素晴らしい商品を駆使しながら毎回いろんなアプローチで紹介させて頂きたいと思います。

私の作風は、綺麗な艶、細部の質感を大事にしています。

特に艶に関してはカーモデルにとっては切っても切れないものだと思います。

模型を制作されている方も、これから模型を始めてみようと思っている方も、私が紹介させて頂く記事の中で何か一つでも参考にしていただけるものがあれば大変嬉しいです。

そしてプラモって楽しいと感じていただけたら幸いです。

今後一年間の連載を予定しておりますので、気長にお付き合いいただければと思います。



Photo_2

さて、第1回目となる製作記の題材はタミヤから発売中の1/24 ラフェラーリの製作です。 
発売されてから1年近く経っていますが、未だ人気のキットではないでしょうか。
私もフェラーリが大好きで、タミヤから発売されているフェラーリは何台か製作していますが、どれもパーツの合いや作りやすさは、流石タミヤクォリティーと常々感心します。
そして今回ラフェラーリの特徴を存分に再現したこのキットをスジボリ堂の製品を使って私の独自の目線で製作していこうと思います。
よろしければ最後まで連載にお付き合いして頂ければ嬉しく思います。

では、説明書の順番に沿ってエンジン部分の製作から始めていきます。





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エンジンのパーツ構成です。
このパーツたちは同じ色で塗装するので、あらかじめ組んでおいた方が後の塗装が楽になります。

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本塗装の前の段階、私はシルバーの発色をよくする為に、最近はガイアノーツのサーフェイサーエヴォブラックを愛用しています。 
私はこのサフの色合いが好きで、セミグロスブラックの代わりに使用することもあります。

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エンジン本体の塗装が終わった状態です。
シルバーはクレオスの8番を塗装後、エンジンの輪郭を強調するためにタミヤエナメル塗料のスモークを溶剤で溶いて流し込んであります。
そして仕上げにクレオスの半艶クリアーでコートしました。

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マフラーはクレオスのメッキシルバーネクストで塗装しました。
艶ありのブラックを下地にして塗装すると綺麗なメッキ塗装ができますが、私はあえてサフの上に直接塗装しています。
そうすることで少しメッキ感を抑えた落ち着いた風合いすることができます。
そして焼けの表現をガイアノーツのクリアーオレンジとスモークで塗装しました。

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こちらはエンジンのヘッドカバーです。
フェラーリエンジンの特徴の一つであるヘッドカバーも鮮やかな赤で再現するために下地にガイアノーツのサーフェーサーエヴォホワイトを吹きました。



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そしてその上にバルケッタから発売されているフォーミュラーレッド/F10を塗装した後に細かい場所をセミグロスブラックやシルバーで筆塗りをして、半艶クリアーでコートしました。

06

といった感じでエンジンの製作は完了です。

08

シャーシにエンジンやマフラー、ドライブシャフトを取り付けてひとまず完成です。
今回はキットの素性を生かした製作と基本工作をお見せしたいと思い、細かなディテールアップはしていません。
しかし塗装をしただけでも十分な仕上がりになると思います。


完成後はエンジン上部しか見ることはできませんが、しかし見えない部分だからといって手を抜かずに、一つ一つ丁寧に製作を心がけることが完成度の高い作品につながると思います。
そして見えないところにも手を入れるのが 製作者の模型作りの嗜みや醍醐味ではないかという気がしますね。 
次回は足廻りの製作で、主にブレーキパーツに注目して製作してみたのでご覧いただければと思います。




ガンプラ、カーモデル、スケールモデルの模型工具専門店-スジボリ堂