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2012年5月

2012年5月27日 (日)

アナキン その1

さて今回から新企画の始まりです。
とは言っても前回までのゴラムがちょっと長過ぎたのもあった為に、飽きた感も強いかも?
という事で、新企画は端的に終わらせながら次から次へと移行して行く、つもりでは有りますが…(笑。新ネタのお題は、ずばり「アナキン」。
既に公開から12年の歳月が経つスターウォーズ エピソード1、この春3Dとして改めて公開されたのでご覧の方も多いのではないでしょうか。
アナキンと言えばルークの父にしてあのダース・ヴェイダー本人でも有る訳で、全編通しての主役とも言える存在な訳ですから大変です。

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画像1は12年前の公開当時に真っ先に商品化されたハズブロの12インチアクションフィギュア、12インチとは言っても子供なのでスモールサイズですが…。
それにしてもこのパッケージの中での格好はどうしたものなのでしょう?どう見ても主役とは思えない扱い?
そして当時の価格で3,800円、高いと思うか安いと思うかは個人差があるでしょうが、現在では一時の投げ売りが祟って、今後価値が出るのでしょうか?

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画像2上の物よりも後発で発売されたアナキン。
装備も増え、フィギュアの造形もまた手が加えてある辺りが心憎いです
。ただしどちらも似ている様な似ていないような?商品化されている事自体が重要な訳で、クオリティーは2の次?
出来は良いのですが。こちらも非常に惜しい事になっておりますが…。

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画像3の左がアナキン役のジェイク・ロイド君。
右はその後成長したご本人。
あの愛らしさはいったい何処へ行ってしまったの?

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画像4は今回のお題の張本人のアナキン。
格好がややみすぼらしいのは、この格好の時点ではまだ奴隷という設定な訳です、よね。
その後にダース・ヴェイダーになってしまう事など誰が想像できるでしょう。
造形的にはよく出来ているものの、成型色の肌の雰囲気は全く持ってお人形さんです。
しかも顔と手の材質の違いで色も妙な事に!
12年の歳月をまたいで今回メデタク開封されたにもかかわらず、ずいぶんな言われ様です。
ただしこの衣装、エピソード4のルークの衣装を意識はしているようですよね。感慨深いです。

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画像5はお顔のアップ。
お目々がとっても愛らしいお人形さんですが、アナキンなんでしょうか?本当に?
じっくりと見ていると、ちょっとは似ている気がしてしまうのもこれまた悔しいものが有ります。
コヤツが今後どう変化して行くのか。
早めの展開予定ではありますが次回以降に乞うご期待!
※あまりに過大な期待はご遠慮願いますです。


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2012年5月20日 (日)

ゴラム(スメアゴル) その12(最終回)

いよいよ、最終回です。やっとかい!?という声もあるかもですが、今回がラストなのです!
約2ヶ月以上もかかった訳ですが、実際の制作は普通に詰めればその数分の一で済んでしまいます。
制作とは言ってもあくまでリペイント、です。
当初のコンセプトや考え方も時間とともに変化してしまう事が有りますので、えい!、やっ!!という思い切りも大切です。
あまり考えすぎて手が止まってしまうと、そのままお蔵入り、なんて経験の方も多いのでは?
出来るだけそうならないで完成に漕ぎ着けるのが理想ですよね。

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画像1は完成の全体。制作途中の画像と同様の撮影です。
ライティングやカメラアングル等、時間の経過で毎回が全く同じ、というのはなかなか難しい所です。
個人的な記録用としてならばそんなに気は使わなくてもいいのですが、そんな辺りも気配りが必要。

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画像2は背景をそれぞれ変えて撮影したものです。
左がサテンの布、右は集めた背景用の資料の画像に手を加えて出力したものをバックに使ったもの。
雰囲気を出す為ながら、なかなか思い通りの物が見つかりませんが、それらを苦労して探すのもこれまた楽しみだったりします。
最終の撮影を考えて制作途中に同時に行っておくのが効率的でしょう。

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画像3は上とは違った画像をバックに、の絵。
実際の映画のイメージに近い雰囲気が出ていませんでしょうか?
これで全体の彩度が落ちると、ポスターとしても使えそうですが…。

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画像4は制作途中でおなじみのアングルの顔のアップ、そして前回のお魚君。
目元は今回の最重要箇所でしたので、こうして背景も伴った完成画像ではやはりその役割をしっかりと果たしてくれている気が。
お魚君もこうして撮影すると、まだ生きて動き回っている気さえ。前回に加えて表面の水滴表現を追加してあります。

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今回のゴラムの最も代表的なアングルと言えるのが画像5ではないでしょうか。
ゴラムとしての悪の側面が出る前の、スメアゴルそのものの気質をとらえた瞬間とも言えそうです。
模型制作上のモチーフとしてはかなりグロテスクとも言えるゴラム、背景も劇中を意識してこうして一枚の写真に納まると、イメージの相乗効果で当初の計画がそのままカタチになったのでは、と思います。
年末には公開予定の「ホビット 思いがけない冒険」にも期待が増々膨らむというものですね〜!

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2012年5月13日 (日)

ゴラム(スメアゴル) その11

今回は前回の続きで魚君からのお話。
元々このお魚君が何という部類なのかのも全く知らないままちょっと資料を物色、おそらく鯉の一種なのでは?との思いで進めてみました。
下地の色の風合いまでは既に終わっていますので、後は細かなディティール的な処理が中心です。
鯉ならばウロコに当たる模様が必要?目玉の処理は生きた感じ?死んでいる感じ?
魚の表面独自のキラメキの雰囲気は?獲れたてならばしっとりと濡れた表現は?
今回はその辺りを自己流の解釈で一気に進めてみました。

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画像1はそれらを考慮して再現してみた、の絵。
オリジナルでは表現されていなかったウロコ模様を格子状に描き込んであります。
なんともベタな表現になってしまいますが、鯉ならば、割と妥当な線なのかも。
腹回りに至るまでの微妙な白っぽさのグラデーションにも気を使いたい所。
最終的には濡れた雰囲気を出したいのでクリアでの処理になりましたが、その前に、基本塗装の後、ランダムにシルバーの極々薄めたものを追加、決してシルバー色は存在しないのですが、顔料の銀粉がまばらに表面に付着して、見る角度によって微妙な光の反射が得られます。
これは今回の瞳の塗装の際にも使っている手法、最終の仕上がりに隠し味でスパイスを利かせる意味合いなのです。
そして表面のしっとりと濡れた感じのクリア仕上げ、ここが最も重要な処理。本来の光沢を出す為の均一な塗膜、生物等の場合には必要ありません。
あくまでもランダムに、場所によっては光沢も有ったり無かったり、光沢の度合いも強かったり弱かったり、適材適所での使い分けがよりリアルな表現への近道だと言えるでしょう。

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画像2は当初のオリジナル。
こうして比べてしまうとなんとも悲しげな事に…。
造形が素晴らしいだけにもったいないですよね。
これはこれで有りなのかもですが、ちょっとのひと手間で上のようになってくれますので試してみる価値は大いにあるのでは?

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画像3ではわずかに残った髪の毛のほぼ最終段階の状態。
幾度にも渡って薄めた黒を塗り重ねて行く際に、しっかりとシャドウ部とハイライト部も意識しながら作業を進めて行き、常に単調な仕上がりにならないように進めます。
ただの黒をモールド通りにベタッと塗っても単なる塗り絵状態、フィギュアの塗装の際によく陥りがちなのがこの辺りの表現なのです。
この感覚が身に付いて来ると、色々な表現が見違えるように変化する筈です。

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という事で長らく続きましたゴラムの塗装も概ね終了です。
画像4は左がオリジナル、右が完成の画像。
小さな画像で比較してもその変化は非常に解りにくいですね。
ただ、間違いなく変化している事はお解り頂けるかと。
完成品としてのスタチューも、やはりひと手間掛けるとこんな風に変わるのだということで、ご覧頂いてます皆さんにも是非お気に入りの物でチャレンジしていただきたいと思います。
必ずや自分だけの貴重な一点ものを手にする事が出来ると思います。
今回は完成の割になんとも尻つぼみな状態では有りますが、完成画像は次回という事で、まだ続いちゃうんですね〜!しばしお付き合いの程を。

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2012年5月 6日 (日)

ゴラム(スメアゴル) その10

いよいよゴラムも大詰めです。
前回に引き続きのベースですが、コケ部分に既にダーク系の色味で処理してあり、明度や彩度がかなり落ちていますので、この辺りに黄緑やビリジアン的な発色の良い緑色を、いつものようにランダムに塗り重ねて行きます。
この辺も同じ色味だけですと単調になりがちですので、部分的には赤や黄色なんかも適所に施すと効果があります。
全体が暗めになる今回の作品においては特に気を配りたい箇所ですね。

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画像1岩肌に生息するコケの発色が良くなるだけで見た目にも作品自体のダークなイメージが少し和らぐというもの。
ベースとは言え重要な役割を担っています。
手にした魚なども同様の役割といえるでしょうね、そして彼(ゴラム)の瞳、今回の作品ではこの三ヶ所をしっかりと演出する事で全体のイメージを更にしっかりとした位置づけにする事が出来るものと思います。
欲張らずに、でもしっかりと作品の中での「見せ場」を作っておくのも大切です。

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画像2背面アップの絵。前回とはかなり見た目のイメージが変化してきました。
当初のオリジナルの単調なべた塗りでは感じる事の出来ないものに、着実に変化しています。
手間暇と情熱をどこまで注ぎ込むのかの案配は人それぞれですが、まずは自分自身で満足できるレベルに最低ラインであっても持って行く、そして完成させる事。
大変では有りますが、ひとつひとつ毎回の小さな積み重ねが、結果として作品自体に大きく反映するのは言うまでもありませんです。

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画像3、お魚君も徐々に塗り重ねられています。
造形的に塗りにくい場所ですので、時間をかけてじっくりと取り組みたい所です。
ゴラムのわずかに残った髪の毛にも色を入れて行きます。
黒で一気に線を引く様な感じではせっかくの質感が台無しに。
細かい所ですが、じっくりと薄めの色で塗り重ねて行きます。

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画像4は魚の別角度。
小さいながらに存在感のあるアイテムなので、リアルに仕上げたい所です。
魚の詳しい事は全く知りませんが…。
ちなみに、こうしてベースや部分部分の箇所を塗って行く最中にでも、肌などの色味は随時追加修正してあります。
言われても、見直しても気付くものじゃあ有りませんけれど…(笑。こんなゴラム制作の作業の間には時たま映画ロード・オブ・ザ・リング1〜3までのサントラCDなどを流しつつ気分をいやがおうにも盛り上げたりもしているのでありました、とさ。


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