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2012年2月

2012年2月26日 (日)

簡単お手軽「食玩リペイントの勧め」 その2

前回にてほぼ塗装自体が終わっているティラノザウルスの頭骨。
食玩ですので多くの方はお分かりの事でしょうが、結構小さく、このティラノも全長で4cm弱、全高で3cm弱。
この小さい物に、どれだけ真剣に取り組めるのか?どれだけの思いが込められるのか?
この辺りは全く持って個人的な趣向の違いも含めてやりたい物を、満足行くレベルまでやってみる。
試しでも良いでしょう、やってみる事、この事が次のステップに大きな意味を持つと、私は常に思っている訳です。
途中で投げ出しても全くオッケー。
でも次には違う物にもチャレンジしましょう。
回を重ねるうちに、だんだんと頭のイメージと出来映えの歩調が合ってくる筈です。
造形的には決して侮れない食玩の類いも、大いに楽しめる素材だと気付くのもそう遠いお話ではない事かと。

T21

という事で、ティラノ頭骨、前回までの塗装後にも、気が付いたり思い立ったら、どんどんと作業は追加して見る事をお勧めします。
たとえ完成と思ったその後でも、自分自身が満足する事、ここが肝心です。
画像1も細かな部分に追加の塗装がされています。
そしてこの画像でお気付きの方も居るかと思いますが、下の部分には支柱らしき物も…。

T22

前回予告しました更なる楽しみ、それがこの支柱も含めたベースの存在です。
支柱は直径2mmほどのアルミ素材、ベースは4㎝ほどの角材を切り出した物にブラックで簡単に塗装を施した物を使ってみました。
模型の多くは本体のみという形態が多いですが、どんな物であれベースを付けるのは作品自体の安定の意味以上に、作品自体の意味合いにも深く関わる、とても重要な物と考えられます。
本体以外のこんなちょっとした気配り、これが作品を更に高め、そして何よりも出来上がった時の楽しみ喜びは数段も高まるのではないでしょうか。
あくまで自分自身のためとするのがクールという物ですが。

T23

画像3では当初のオリジナルと並べた物。
そしてその差は歴然。でもこうしてオリジナルと並べる事のありがたみ、こうしてだんだんとワールドが形成されて行くのでしょうか?
小さいながらもしっかりとした存在感は各種展示に出しても全く恥ずかしくない物だと思います。
ただの食玩なんですが…。

T24

完成した作品、ここはやはり以前にもお話ししましたが、ちょっと気を使った撮影をしますと、またひと味違った傾向に。
画像4ではバックに赤のサテンの布を敷いてみました。
時計や貴金属系の商品の撮影ではよく有る手法ですが、ちょっと高級感も出てきましたでしょうか。
こうなると、もう単なる食玩とは言わせません!(笑

T25

画像5のようにオリジナルと並べて色々と角度なんかも変えて撮影する事自体が既に違う楽しみになってしまってませんでしょうか?
これは売り物では有りませんが、そんな事を踏まえての撮影にももちろん有効だと思います。

家の片隅に転がっている小さな食玩を見かけたら、こんな風に手を掛けてあげるのも良いかもしれません。
何よりも自分が楽しくて、しかも簡単リペイントで、ググッと見栄えが良くなったら、また違う物にも、ついつい手が掛かってしまうかも?
食玩等のリペイント、私は気持ちのリフレッシュのためにもとっても役に立っております。

多種多様に存在する食玩類、今後もこの場で登場させていただく、かも、です。


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2012年2月19日 (日)

簡単お手軽「食玩リペイントの勧め」 その1

今回は簡単にそしてお手軽に楽しめる代表的な物としての食玩を取り上げてみたいと思います。
一時期の勢いは止まったようですが、決して無くなる事の無い食玩やプライズ品の類い。
今や昔のお子様向けばかりではなく、大人が真剣に楽しめる物もかなり増え続けています。
目的を見失ったのか(?)かなりコアな物なんかも見受けられる訳ですが、個人的にお気に入りのジャンルの物を、コレクターでは無いにせよ、気付くといくつか持っているなんて方も多いのでは?
せっかくのアイテム、持っているだけの満足感で終わってしまうのはもったいないお話かと…。
自分流にアレンジを加え、楽しみながら更なる至福の時を、目指してみるのも良いのではないでしょうか。
まあ、そんなに真剣に構えずに、あくまで息抜き的に。

T11

という事で登場しましたのが「チョコラザウルス」シリーズの中から、ティラノザウルスの頭骨を選んでみました。
それにしてもこのシリーズもかなりの種類が出ていたんですね。改めて驚きますが・・・
出来はかなりの物でして、ファンの要望だったのか、色替えバージョンなんかもイロイロと出ていたようです。

T12

で、今回のティラノザウルスの頭骨、これはこれでマニア心を十分に満たしてくれる物、なのですが、なぜこんな色?という疑問が…。
まあ、悩んでいても始まりませんので、自分的に好みのイメージを考えたり、資料を探してみたり、そんな時間もまた嬉し♪なんです。

T13

さっそく作業で下塗りです(画像3)。
一度茶褐色系の色で下塗り、多少ムラがある感じで下地を生かすのも効果的。
これだけでもすごく変化した気がしてしまいます。
既製品らしさがやや減少して、手作り感が出てきたのでしょうか?

T14

画像4では黄土色やベージュ、焦げ茶等の色で細かなアクセントを付けて行きます。
あくまでこの段階では大雑把な雰囲気が出ればいいのでは、という感じで。
と言いつつも、ますます変わってきました。よね?(笑)

T15

次に(画像5)骨格の各部のつなぎ目やくぼみをブラックにてしっかりと強調しながらメリハリを付け、化石に見られるバラバラの骨格の接合部やヒビ、ランダムに大小の凹凸感などを加えれば、ほらこんな雰囲気に!
ちょいちょいと塗り込み描き込みをするだけなんです。
何とも簡単。当初のノッペリとした既製品らしさは、全く無い事に。
アレンジは自分流で良いのです。自分が満足する物が出来れば、こんな楽しい事は有りませんです。

本体の塗装自体はこれにてほぼ終了、次回は更にほんのちょっと手を加えると、またまた見違える方法なんかもご紹介です。

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2012年2月12日 (日)

1/6アクションフィギュアのヘッド塗装 その8(最終回)

長らくと続いた1/6アクションフィギュアのヘッド塗装も今回でいよいよ最終回。
この制作記事ではあくまでも塗装を中心に、様々なジャンルで活用していただける事を前提にしておりますので、今回はコスチュームや装備品等に関しては割愛させていただきました。
アクションフィギュアの完成までとしてならば、もっと多くの事が作業として必要な訳ですが、多くの方はそこまでは望まれる事は無いでしょう。
とは言え、いづれは完成させますので、機会が有ればその後の姿もお見せできる日も有るかと…。
1030
画像30では背景に黒の布を使ってみました。
白バックとはひと味違った存在感になるのも完成後の楽しみの一つです。

1031
おまけとして手元の塗装を簡単にご紹介。
間接のギミックは可動させる為には目をつむるとして、オリジナルのままではせっかく多いに変わったヘッドの前ではどうにも気になってしまいますので、肌つながりという事でそれなりに塗装する事をお勧めします。
特別な気合いは入れないで、顔の塗装の途中で使った色をその都度塗って行けばおおよそ同じ行程内で仕上げる事が出来ます。
細部のこだわり方としては間接等の皺や手の甲の血管等を表現するとよりそれらしく仕上がる事と思います。

仕上がった作品を改めてしげしげと見る楽しみは模型の醍醐味と言える事でしょう。現在ではweb等での投稿やHPにアップされる方も増えている中、単純に撮影する以上に、撮影段階でひと工夫する事は非常に大切な事だと私は考えます。作品自体の魅力がさらに別の楽しみに繋がって行く事にもなるかもしれませんね。

1032

画像32は撮影段階のバックに秋の木立の風景と言った自然のイメージを使っています。普段から背景用にイメージして撮影しておくのも良いですし、様々なデータを使ってA4サイズで出力しておくと結構使える物です。
撮影の際には被写体とバックとの距離や被写界深度を考慮した背景のボケ具合(プリント出力自体をぼかしておいても有効)、そして違和感の感じないライティングに注意が必要です。

1033

画像33では同様にバックをレンガの壁面のプリントに変えてみました。
上の物とはまた一風変わった画像になっているかと。
このように背景のイメージが変わるだけでも写真としての存在感や意味が色々と変化してきますので、自分のイメージに合った写真造りも作品が完成した後に楽しみがまた増えると言えるかもしれません。

1034

デジタル故の更なる楽しみ(?)と言えるのが画像34のように古めかしいイメージ写真に仕上げたするのもそのひとつ。
古い画像のフレームを用意してモノクロ階調でセピア風に調整。仕上げにスクラッチノイズを加えるとこんなイメージになりました。
持参しているソフトや入手可能なデータ次第で出来る事にも個人差はありますが、チャレンジしてみても損は無い筈です。
ジャンルやスケールは違ってもかなり有効ですので、模型制作の楽しみの一つに加えてみてはいかがでしょうか?

さて、次回は息抜き的に簡単お手軽「食玩リペイントの勧め」を予定しております。

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2012年2月 5日 (日)

1/6アクションフィギュアのヘッド塗装 その7

さて、最終仕上げです。
とはいえ、顔のほとんどが終了していますので、今回は髪の毛のお話を軽めに。
画像25のお方は綺麗な金髪にしたい所。
オリジナルの物は単なる黄土色のべた塗り(画像左)ですが、これではせっかくのお顔のリペイントも引き立たないという物です。
金髪の場合、髪の一本一本が金色という事では有りませんし、奥まった陰の部分は黒っぽく、光の当たる部分は白っぽく、と言った光の反射等を意識すると雰囲気に不自然さが出てきにくいと思います。
この辺りも個人的なアレンジも込めながら、様々な金髪の写真などを参考にしてみると良いのではないでしょうか。
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画像26の方のお方はブロンド調に。
こちらも茶系を基調にしながらシャドウ部やハイライト部の調子をしっかりとつけて仕上げて行きます。髪の色が違うだけでもかなりイメージは変わって見えてくる筈です。
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実は髪の毛の塗装は、他が全て終わってから別の作業、とはしない方がよろしいかと。
あくまでも顔の塗装の際に同時に少しずつ塗りながら、あくまでも全体的なイメージが常に把握できている方がバランス良く仕上がる筈です。

という事でヘッド周りの塗装がほぼ終了いたしました。二体並べての引きの感じはこんな雰囲気に。当初の箱から出したままとはかなり変わったと思われますが…。
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作業途中の微妙な変化の積み重ねがこのような変化となる訳ですが、大切なのは、頭の中での仕上がりのイメージの把握、そしてそのイメージに近づけてゆくための地道な努力、と言えるのではないでしょうか。
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顔のアップです。1/6というビッグスケールならではの情報量の多さは他のスケールでは味わえない楽しみが広がって行きます。二枚目風の画像28のお方、肌はやや黄色みを多くしてワイルド感をプラスする事でひ弱な感じにならないよう演出してみました。
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オリジナルではどちらかと言うとひょうきんな、とぼけた感じの画像29のお方、こちらは白みと赤み多く使い、繊細な頭脳を持ち合わせた知的な白人、と言った感じでしょうか。
いろいろとフィギュアを手掛けていますと、どうしても男前の物が多くなりがちですが、こうした個性的な造形も塗装次第ではいろいろな表情を作り上げて行く事が可能な訳です。
どちらかと言えばこちらの手の物の方がいろんな意味で楽しめるのかも、です!

という事で一応完成となりました。次回はオマケな記事、の予定です。

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