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2012年7月

2012年7月30日 (月)

ベビーゴジラ その1

夏も真っ盛り、30度を超えると道産子にとっては辛い物が有ります。
皆さんもこんな時期にはしっかりとした体調管理で乗り切ってくださいませ。
ということで、何時公開なのか?が気になるハリウッド版リメイク「ゴジラ」ですが、1998年のハリウッド版ゴジラ、こちらは当時燦々たる酷評に打ちのめされていましたよね。

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画像1は昨年手掛けたそのハリウッド版ゴジラのハンドパペット。
中は中空で手を入れて遊ぶトイ。
1998年の映画公開に合わせてこんな子供向けのトイが結構販売されていました。
そこそこ大きくて小柄な犬程のサイズの物ですが、リペイントで劇中の造形に結構近づいた出来に…。
トイ、恐るべし、です。
当時はスポーンなどのフィギュアも結構売れていましたし、トイ絡みの活気はずいぶんと賑わっていました。

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画像2右の画像がリペイント前のオリジナルの物、子供向けとは言え、結構馬鹿にした造りなのでした。
しかしながらよくよく見るとモールド等はかなり手の込んだ造りに。
塗装にひと手間掛けてくれれば、さぞや素晴らしい事になっていたでしょうに。
まあ、こうした版権絡みの物にはよく有る事なのですよね〜。

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前置きが長くなりましたが、画像3左が今回のテーマの物、ベビーゴジラのアイテム。
こちらは全長20cm程の小柄な物。
ご丁寧にダメージを受けた後が肋骨横辺りに表現されています。
何処の誰がこの造りに喜んだのでしょうね?右画像が劇中の画像。
比べるとなんだか全く違うのでは??個人的にはかなり好きな部類です。

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画像4ブリスターから取り出した状態。
なんとも言い様が有りませんです。
ゴジラというより、安っぽいティラノサウルスか恐竜グワンジと言ったところでしょうか。
普通は欲しいとは思わないかも?まして購入となると…(笑。持っている私はいったいぜんたい??

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画像5初公開の私の手、はどうでもいいのですが、手にした感じがなんとも安っぽい雰囲気ぷんぷん。
ほんじゃ逆光で寄ってイメージ風にしたら?が右の絵、どうにもなっていません、ですか?(笑。
何がいけないのでしょう?モールドはそこそこ雰囲気が出ていますが、やはり全体の色、何よりも目。そして口元の表現、でしょうか。
という事で、今回からこの悲しい運命のベビーゴジラをなんとか画像3の劇中の雰囲気に似せる事が出来たら良いな作戦の開始なのでした。

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2012年7月22日 (日)

1/6ビネット その4(最終回)

ビネット制作も最後の締めくくりとなります。
前回までのフィギュア本体や小物関係をベースに固定していよいよ完成。
作業の始めにはおおよその配置の確認も当然ながら済ませておかないと、ここに来てアリャリャな事に。
事前の構想と途中の擦り合わせは常に欠かせません。
バランス良く配置されるまで、微妙な移動も固定前には済ませておきます。

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画像1が完成の姿。
画像で見る限り、1/35辺りのビネットととらえる事も出来ますが、実際は1/6ですので、こじんまりした内容ですが完成するとかなりの大物です。
フィギュアも単体の時とは明らかにその存在感に違いが。
ベースに配置された細かな小物類やベース自体も一体感に包まれました。
今までバラバラだった関係がこうして完成すると全てに因果関係が生じ、改めてひとつの作品が生まれたと言えるのではないでしょうか。

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画像2は横からと後ろからの絵。
極限にスペースを切り詰めてこそのビネット、無駄なスペースは全く有りません。
この辺りのバランスがディオラマとは感覚的に違う所で、また魅力的な部分でもあります
。画像が小さくなるにつれ増々1/6らしさが感じられませんね。

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画像3はフィギュアの腰位置の目線でのアップ。
アップになると細かな表現が1/6らしく見えて来ますでしょうか?
MG-34の機銃の質感もビッグスケールならではのものに。
私の場合、1/6に決して拘っている訳ではないのですが、大きい世界観での独特の楽しみにハマってしまうと、これはこれで非常に楽しい世界なのでした。保管を考えると?ですが…。

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画像4の左が別アングル、そして右が背景を入れて撮った物です。
背景が有るのと無いのとでは写真としての意味合いが大きく変わりますので、目的にあった物を使うと効果的です。
今回は大きめなサイズなのでA3相当の物を用意して、A4にて上下に分割で出力後張り合わせて使ってあります。
合わせ目や画質の粗なども、撮影の際の絞り調整での被写界深度に注意すると、さほど気にならない仕上がりになってくれます。

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画像5が最終決定版の一枚と言えるでしょうか。
この一枚を撮るために今までの作業が有ったと言っても決して過言では有りません。
画像1のホワイトバックはあくまで作品自体の姿を見せる物でしか有りませんが、こうして背景も含めた一枚の画像になった際には、作品の裏側のストーリーすら想像してしまう、ちょっと大げさでしょうかね?(笑

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画像6は、とある戦場の一枚より、と言った雰囲気を以前同様にデジタル加工しました。
模型の撮影の際には、アナログの世界観を守るために出来るだけ撮影した画像も手を加えたくない所なのですが、デジタル故のお手軽仕上げも、これまた別の意味で楽しめる世界です。
皆さんも色々と自己流で楽しんでみてください。模型の世界は、果てしない楽しみが待っていますです〜!

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2012年7月15日 (日)

1/6ビネット その3

前回に引き続き、その後もちまちまと手が掛かっています。
おおかた基本塗装は済んでいますので、スクラッチ等の引っ掻き傷や汚れ、痛み具合やヤレ具合を納得いくまで書き込みながらリアル感を高めて行きます。
1/6ともなりますとほぼ実際の物に近い表現が出来ますので、資料や身の回りで参考になるものをよく観察しながら進めましょう。

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画像1は前回もお話ししましたが、それぞれの物の材質や、使われ方によっての違いを個々にどう見せて行くと効果的なのかを考えます。
同じ金属でも鉄とアルミの違い、さびや汚れの違い、同じ物でも適材適所での艶の表現の違い、大まかな光と影の表現。
考えだすとキリが無い訳ですが、そこはあくまで小物としての存在感を高めながら全体のバランスを考えて行く必要があります。
バランスを見ながら、どう「らしく」して行くのか、ですね。

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画像2、金属は金属らしく、革は革らしく、布は布らしく、木は木らしく。
それぞれがきちんと主張し合いながらもひとつひとつの道具としての「物」として存在感をアピールしながらメリハリを付けて行きます。
やはりここでもやり過ぎにはご注意を。

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画像3では、あくまでも作り手の拘り、なのですが、実際に最終的には見えなくなる部分にもしっかりと手を掛けておくと、自分自身だけの楽しみにもなったりします。
他人の方に見ていただいた時のネタとしても役立ちます(笑。
ブーツの底なのですが、しっかりとステッチも表現してあり、ややオーバー気味な鋲もしっかりと塗り込みました。

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画像4はMG-34。前回の時よりも質感が追加されています。
つや消しのブラックやガンメタル、シルバーをメインに、凸部には鉛筆の芯で質感を出します。

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画像5の小物類にも質感を高めるように、更なる細部の調整を。

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画像6は前回のベースワークが進んだ状態。
枯れた草や生きた草の表現を追加しました。
今回は緑に着色した紙を細切りにして1本1本植え込んで行きました。
こんなわずかな量なのですが、今回のビネットの中ではもっとも時間のかかってしまった部分なのでした。

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画像7は後ろに当たる部分のアップ画像。
草の緑も数種類用意し、長さや形もそれぞれが違った扱いでより自然に見えるようにしてみたのですが、如何でしょう。
という事で次回は完成形態をお見せいたしますです〜!

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2012年7月 8日 (日)

1/6ビネット その2

夏です、暑いですよね。
モチベーションも上がらずに、塗装の際の湿度との関係も気になる所です。
現在は1/6と言った大物との格闘ですので、ちまちま細かな作業に取り組まないで良い分、えい!や〜っ!!的な勢いに任せた作業が、ほんのちょっと暑さを忘れさせてくれますです(笑。
とは言え塗装に関しては物の大きさとは裏腹に細かな部分が余計に気になったりしますから始末が悪いのでした。
と言う事で今回は小物中心のお話です。

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画像1大きいのに小物、です。
まずはMG-34機関銃関係。画像のほとんどが製品として存在していましたので案外ラクチン。
各部の可動箇所なんかに見とれていると、ついつい時間が過ぎてゆきます。
さすがに1/6なだけ有って造りは驚く程 精密です。

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画像2は機関銃の銃身の木箱、こちらのみスクラッチです。
まあスクラッチとは言っても箱組ではなく角材のムク状態にあれこれ付けて仕上げてみました。
これが有るのと無いのとではビネットの小物の全体的な見栄えのウエイトが変わって来てしまうのです。

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画像3はMG-34、まだ途中なのでリアル感にはほど遠いものが有ります。
黒ベースにガンメタやわずかなポイントにシルバーを加えて本物らしい質感にして行きます。

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画像4その他の小物類はフィギュアに装備されたりベースに配置したりでの使い方になる予定。
汚し塗装が中心の塗り方になりますが、ここでも素材の違いを重点的に、出来るだけそれらしく見せる事が出来るとリアル感がよりいっそう倍増です。

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画像5こちらはベース周り。
ベース枠は作品以上にその仕上がりに大きく影響する見せ場のひとつ。
しっかりとしたものを使いたい所です。私はいつも飾り材を切り出して制作します。
仕上げにはラッカースプレーの黒とクリアがけ。
右はベースの下地処理までの物。
スタイロフォームに粘土や土、その他を混ぜ込んで塗って行きます。
その際に出来るだけ仕上げに近い色合いになるようにペースト状の際に着色もしておきます。

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画像6ベースの木枠にベースをはめ込んだ状態。
これだけ見ても何の事やら?ですが、ここまでくると俄然その後の作業に弾みがついて来ますのでしっかりとイメージを膨らませます。
作品自体は一生懸命に作るものの、ベースはおざなりの方も多く見受けられます。
力が尽きるのも解りますが、ここはもう一踏ん張りでベース自体にも力を注ぎましょう。
もはやベース自体が作品の一部となって、仕上がった作品の魅力や価値は数倍高まる事間違いなしです。
是非チャレンジしてみてください。
現在では市販のベースも素敵なものが数多く出ています、あれこれ物色するのもこれまた楽しみのひとつになりますです。

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2012年7月 1日 (日)

1/6ビネット その1

さて、夏真っ盛りという暑い日々が続き、みんさんも周りでは様々なイベント等が開催されているのではないでしょうか?
模型の世界の中でもAFVというジャンルに特化したイベント「北海道AFVの会」が7月8日(日)に開催されます。
今年で10年目を迎える内容の濃い展示です。
お時間のある方は足を運んでくださいませ。
私も何か出品せねば、という事で以前紹介しました1/6アクションフィギュアを使ったビネットを制作しております。
以前の紹介は肌の塗装が中心でしたので、今回はその他の衣類や小物周りに塗装を施しながらビネット仕立てにして行こうと思います。

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画像1は元のオリジナル状態。やはり物足りなさが感じられます、よね。こういった代物が存在する事自体が驚きな訳でもありますが…。

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画像2今回は衣類関係と小物周りが中心です。
衣類は基本色はオリジナルのままで、ヤレ感や汚し等の処理で立体感を加えたリアルな雰囲気にしたい所。
基本作業は以前のアナキンの時と同様ですが、基本色を変えない分作業は割と楽なんです。
塗装は至って簡単、布地の色よりも明るめの色で、ドライブラシの要領でエッジ部分に塗って行きます。
ただし、塗料はかなり薄めた水溶液状態で。
塗った後に豚毛等の固めの筆でこするように周りと馴染ませます。
それを何度も繰り返し、その際に明度も徐々に上げて行きます。

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画像3は画像2と全く同様の作業になりますが、縫い合わせ部や皺辺りも念入りに再現、くれぐれもやり過ぎにはご注意を。
あくまでも質感を出す為の演出です。
小物関係ではベルトやサスペンダーと言った皮物関係の表現で、表面自体よりもエッジサイド部の表現が皮らしく見せる為に重要です。
糸の縫い後の表現などもリアル感を引き立ててくれます。

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画像4ではその他の小物関係の処理が見て取れる筈です。
スコップや飯ごう、水筒や雑納袋、Y型サスペンダーの細部、拘りだすとキリが有りませんが全体の中での役割を考えてバランスを見ながら処理して行きます。
本来は各種様々な素材で作られている小物関係、素材ごとの質感を検証するだけでも楽しいひとときです。
もちろん色々な資料はよりリアルに再現する為にも事前に入手しておきましょう。

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画像5は今回のビネットの脇役として使う予定のラフェッテ34。
こちらもドラゴンから出ていたもので、実物同様に各部可動の素敵なアイテムですが、あまり売れていなかったようですね(笑。
第二次大戦ではMG34機関銃の三脚架で長射程で連続射撃が可能な重機関銃として重宝されていたらしいですが、細部が見事に再現されています。塗装はスケールも大きめなだけに丁寧に塗り込みます。
いつも以上にマニアックな内容になりそうですが今回も時間をかけずに数回でご紹介できそうです!

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