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2012年8月

2012年8月26日 (日)

ベビーゴジラ その5

先週開催されましたHME 2012も多くの来場者の方々で賑わい大盛況のうちに終了いたしました。
ご来場者の方々や関係者の方々には心より感謝申し上げる次第であります。
と言いつつもベビーゴジラも進行してまいります。
今回はフィギュアのキモとも言える目の塗装。
当初のオリジナルの目はトイ然たる出来映えで物悲しい物が有りましたので、途中からホワイトのべた塗り状態になっておりましたが、今回、晴れて色が乗って行きます。

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画像1では眼球の下塗りとしてイエローを軽く塗ります。中心部はベースのホワイトをグラデらしく残しつつ眼球周辺に。
瞳部分の位置を把握するためにブラックにてちょこっとアタリの点を描いておくとイメージが掴みやすいでしょう。
眼球両サイドに位置するのは実は瞼、ハリウッド版ゴジラでは恐竜的に薄い瞼が左右に開閉する設定のようです。

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画像2では中心のホワイトは残しつつオレンジ系を重ねて立体感をいっそう深めて行きます。
その際に外周部から中心に向けて細い線状を意識しながら簡単な虹彩らしい感じも表現しておきます。
数工程ですが結構変わってくる状態がお分かりかと。

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画像3では更に茶系にて同様の処理を重ねて行きます。
うねうねと外周から中心に向かう虹彩のランダムな感じが後々効果が出て来ますので、焦らずにじっくりと塗り重ねましょう。
同時に瞳孔部も当初の黒い点の周辺にうっすらと描いておきます。
瞼部は茶系や黒にて存在感に違和感の出ない程度に塗っておきます。

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画像4では瞳孔部の色を徐々に黒っぽくして行きます。
その際に瞳孔外周部と虹彩の境界部分がボケた感じの処理が劇中の眼球に近いイメージになるようですので、中心から外に向けて放射状に幾本もの線を書いて行く様に描いて行きます。
今までのぼんやりマナコがかなり生気を帯びて来た気がしますです。
瞳孔中心部は更に白っぽいのが瞳孔の中心部に当たるようですので、その処理もエッジ部分がシャープになりすぎない様に描きます。
この状態でオリジナルと比べてみると全くの別物になっている筈です。
全くの資料の通りではないのですが、劇中の物とかなり近い雰囲気に。仕上がるまでには後一歩、です。
と言う事で次回は眼球部分の仕上げとなります。

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2012年8月20日 (月)

ベビーゴジラ その4

前回はおおまかに3段階で塗装の段階を紹介いたしましたが、この手の塗装、何回塗れば終わり、という事は無いので満足行くまで何度でも、塗り重ねていきます。

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画像1では上げすぎた彩度をやや押さえながら、それでいて細部の微妙な色味を残しつつ全体的なトーンの調子を整えます。
グレーや黒、ベージュ系の色で一皮被せる様なフィルターを掛けた様な雰囲気でしょうか。
こうしてみると、作業自体は行ったり来たりの繰り返しですが、あくまでも仕上げのイメージに近づける為の作業、一発で想い通りのイメージになったなら、そこでオッケーなのかもですね。

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画像2前回の画像6と比べて見てください。
全体の彩度がかなり押さえられ、暗めになって来ました。
ここでも塗装の際にはウォッシング的なやり方とドライブラシ的なやり方を併用しながら塗り重ねていきます。

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画像3では更に次のステップ。
上面の茶系や青系、ブラック系をあくまでも部分部分で使い分けしながらランダムに塗り重ね、皺の谷間には明るめのベージュ系を流し込みながら立体感とリアル感を強調します。
凹部だから暗いだろうというイメージだけでは成立しない箇所です。
生きた爬虫類や両生類の皮膚なんかがイメージの参考です。

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画像4角度違いと頭部側面のアップ。
寄って見た場合には明らかに作業の始めとは変わって来ています。
皮膚の質感がいろいろな色味によってリアルになって来たと思います。
単色のみではなかなかこの様にはなってくれないのですよね。

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画像5左が参考の実際に造られたベビーゴジラの資料、右が現在の物。
仕上がりまではまだまだでは有りますが、かなり近いイメージに向かっています。
スケールの違いによるオミットされたりオーバースケールなモールドなどが主な原因ですが、子供のおもちゃとしてはかなりの出来だと改めてうなずいてしまいます。
途中から目をホワイトで塗装しましたので、当初のバタ臭さは無い物の、らしさとしてはやはり物足りない状態な現状。
次回はいよいよ目の塗装に着手でベビーゴジラに命が吹き込まれる?どうなりますやら〜♪

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2012年8月12日 (日)

ベビーゴジラ その3

暑さと寒さ(?)寒暖の差が激しい今年の夏ですが、皆さんも体調にお変わりはなかったでしょうか?
模型制作にはなかなか辛い季節ですが、ここは踏ん張りどころです。
と言う事でベビーゴジラ、いつになく細かな作業で手を入れてみましたが、今回からは塗装段階。
本来は塗装前にサフェーサー等の下地処理が望ましいところですが、オリジナルの塗装も結構な塗膜の厚さ故、今回はそのままオリジナル色に塗装して行く事にいたします。

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画像1はその第1段階、下塗りの意味で、パテ等で手を入れた箇所とそれ以外のオリジナルの色の差が目立たないように同系色にて塗装します。
この後にどんどん色を乗せて行きますので、若干の違和感は気にしません。
画像で見ると、元々がこんな仕上がりだった気さえして来ますが…。

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画像2は頭部とボディー側面の状態。
やはり口回り以外は元がこんな感じなんでしょ?的な段階で、実際にはここからがスタートと言っても良い段階です。
それにしても、アップにした際の各部所のモールドの意外な程繊細な造形には今更ながら感心です。

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画像3は塗装第2段階。
表皮上面は暗めの茶系でトーンを落とし、表皮下面部はアイボリー系を塗ります。
どちらも最終のイメージに近い色で大雑把に塗っておきます。
当初のオレンジっぽく鮮やかな色味がグンとおとなしい色にトーンダウンしました。

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画像4ボディー側面のアップ。
いつもながらの事ですが、一気に下地を塗りつぶす事無く、下地の色味も部分部分で生かしながら塗り重ねて行った際のランダムな感じが、後々でも効果的になって来ますので、あくまでも全体のバランスを掴む事が大切です。

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画像5、塗装の第3段階では更に緑系や赤味なども加えて行った状態。
上面には恐竜に近いイメージと言った雰囲気を持たせるために、緑系や紺系をランダムに。
下面部にはやはり爬虫類や両生類のイメージに近づけるようにアイボリーのベース部に赤味を加えて血色感を表現します。

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画像6、多少オーバーなくらいにしておいた方が後の作業の軌道修正の意味合いの方向が掴みやすくなるかもしれません。
今回の様なアイテムは、表面の凹凸の度合いで、凹部の塗装は墨入れ的な感じで、凸部の塗装はドライブラシ的な感じでと、それぞれ使い分けして行くと作業の進行時の変化がより分かりやすくイメージも掴みやすいと思います。
作業を重ねる度にどんどん変化して行く様はなんとも言えない充実感が味わえます。
模型の醍醐味なのでしょうか?

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2012年8月 6日 (月)

ベビーゴジラ その2

前回はオリジナルのベビーゴジラのご案内でしたが、今回は塗装前の下準備として、造形的に気になる箇所に簡単に手をかけます。
トイ全体に言える事ですが、成型時のパーティングラインやパーツの合わせ目部分に関しては多くは期待でません。
しかもまずい処理を塗装の塗膜を厚くする事で目立たなくしてある事も有るのでよく観察しなければいけません。
そんな辺りにも注意しながらしっかりと気になる箇所をチェック、です。

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画像1左上はさてなんでしょう?右上と左下はボディーの合わせ目部のパテによる修正。
右下は足の爪の簡単なディティールアップの状態。
全体的な形状に合わせてパテを盛り、ディティールの形状も近辺との違和感が出ないように出来るだけ合わせておくと後々の効率が上がります。

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画像2必要な各部所をパテにて修正を加えた全体の状態。
腕、足、しっぽの付け根近辺は特に仕上がり後のバランスに大きく影響します。
手足の爪もほんの少しの作業で大きくイメージが変わる箇所。特に今回手をかけたのが口周りで、口の中のディティールや舌の形状変更、そして牙の扱いを変更してあります。

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画像3ボディー各部所のアップ。
必要最低限の修正に停めてあるのが分かると思います。
この辺の作業は、やり過ぎると全く持ってキリが有りませんです。

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画像4左は爪部分のアップ。
オリジナルでは寂しい形状でモールドもだるいのでシャープにして存在感をアップします。
口元もオリジナルではかなり悲しい事になっていましたので、牙は全て切り離してパテにて新造。
画像1の左上の画像は実はこの牙の元になるパーツの途中の物。
1ミリ程の極小の物ですので細心の注意が必要です。
舌の形状も資料を参考に造り直しておきます。

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画像5各部所の別アングル。
簡単なディティールアップですので、作業は出来るだけ緻密に考えた上で一気に済ませます。
見せるポイントを絞り込んでおけば途中の迷いは無いと思いますが、作業途中で考えだしてしまうと、なかなか進まずに、最悪そのままお蔵入りなんて事にもなりかねませんね〜。
それにしてもオリジナルの目、何時見ても変ですね。

と、ここでご案内ですが、「北海道モデラーズエキシビション」が8月18日(土)・19日(日)の開催となります。北海道内外のモデラーが一堂に集う年に一度のお祭り、お時間のある方は是非お越し下さいませ。今年も昨年同様に、ホール、アトリウム、ルームでの3会場での開催ですので、是非くまなくご覧くださいませ!

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