2012年7月15日 (日)

1/6ビネット その3

前回に引き続き、その後もちまちまと手が掛かっています。
おおかた基本塗装は済んでいますので、スクラッチ等の引っ掻き傷や汚れ、痛み具合やヤレ具合を納得いくまで書き込みながらリアル感を高めて行きます。
1/6ともなりますとほぼ実際の物に近い表現が出来ますので、資料や身の回りで参考になるものをよく観察しながら進めましょう。

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画像1は前回もお話ししましたが、それぞれの物の材質や、使われ方によっての違いを個々にどう見せて行くと効果的なのかを考えます。
同じ金属でも鉄とアルミの違い、さびや汚れの違い、同じ物でも適材適所での艶の表現の違い、大まかな光と影の表現。
考えだすとキリが無い訳ですが、そこはあくまで小物としての存在感を高めながら全体のバランスを考えて行く必要があります。
バランスを見ながら、どう「らしく」して行くのか、ですね。

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画像2、金属は金属らしく、革は革らしく、布は布らしく、木は木らしく。
それぞれがきちんと主張し合いながらもひとつひとつの道具としての「物」として存在感をアピールしながらメリハリを付けて行きます。
やはりここでもやり過ぎにはご注意を。

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画像3では、あくまでも作り手の拘り、なのですが、実際に最終的には見えなくなる部分にもしっかりと手を掛けておくと、自分自身だけの楽しみにもなったりします。
他人の方に見ていただいた時のネタとしても役立ちます(笑。
ブーツの底なのですが、しっかりとステッチも表現してあり、ややオーバー気味な鋲もしっかりと塗り込みました。

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画像4はMG-34。前回の時よりも質感が追加されています。
つや消しのブラックやガンメタル、シルバーをメインに、凸部には鉛筆の芯で質感を出します。

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画像5の小物類にも質感を高めるように、更なる細部の調整を。

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画像6は前回のベースワークが進んだ状態。
枯れた草や生きた草の表現を追加しました。
今回は緑に着色した紙を細切りにして1本1本植え込んで行きました。
こんなわずかな量なのですが、今回のビネットの中ではもっとも時間のかかってしまった部分なのでした。

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画像7は後ろに当たる部分のアップ画像。
草の緑も数種類用意し、長さや形もそれぞれが違った扱いでより自然に見えるようにしてみたのですが、如何でしょう。
という事で次回は完成形態をお見せいたしますです〜!

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2012年7月 8日 (日)

1/6ビネット その2

夏です、暑いですよね。
モチベーションも上がらずに、塗装の際の湿度との関係も気になる所です。
現在は1/6と言った大物との格闘ですので、ちまちま細かな作業に取り組まないで良い分、えい!や〜っ!!的な勢いに任せた作業が、ほんのちょっと暑さを忘れさせてくれますです(笑。
とは言え塗装に関しては物の大きさとは裏腹に細かな部分が余計に気になったりしますから始末が悪いのでした。
と言う事で今回は小物中心のお話です。

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画像1大きいのに小物、です。
まずはMG-34機関銃関係。画像のほとんどが製品として存在していましたので案外ラクチン。
各部の可動箇所なんかに見とれていると、ついつい時間が過ぎてゆきます。
さすがに1/6なだけ有って造りは驚く程 精密です。

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画像2は機関銃の銃身の木箱、こちらのみスクラッチです。
まあスクラッチとは言っても箱組ではなく角材のムク状態にあれこれ付けて仕上げてみました。
これが有るのと無いのとではビネットの小物の全体的な見栄えのウエイトが変わって来てしまうのです。

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画像3はMG-34、まだ途中なのでリアル感にはほど遠いものが有ります。
黒ベースにガンメタやわずかなポイントにシルバーを加えて本物らしい質感にして行きます。

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画像4その他の小物類はフィギュアに装備されたりベースに配置したりでの使い方になる予定。
汚し塗装が中心の塗り方になりますが、ここでも素材の違いを重点的に、出来るだけそれらしく見せる事が出来るとリアル感がよりいっそう倍増です。

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画像5こちらはベース周り。
ベース枠は作品以上にその仕上がりに大きく影響する見せ場のひとつ。
しっかりとしたものを使いたい所です。私はいつも飾り材を切り出して制作します。
仕上げにはラッカースプレーの黒とクリアがけ。
右はベースの下地処理までの物。
スタイロフォームに粘土や土、その他を混ぜ込んで塗って行きます。
その際に出来るだけ仕上げに近い色合いになるようにペースト状の際に着色もしておきます。

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画像6ベースの木枠にベースをはめ込んだ状態。
これだけ見ても何の事やら?ですが、ここまでくると俄然その後の作業に弾みがついて来ますのでしっかりとイメージを膨らませます。
作品自体は一生懸命に作るものの、ベースはおざなりの方も多く見受けられます。
力が尽きるのも解りますが、ここはもう一踏ん張りでベース自体にも力を注ぎましょう。
もはやベース自体が作品の一部となって、仕上がった作品の魅力や価値は数倍高まる事間違いなしです。
是非チャレンジしてみてください。
現在では市販のベースも素敵なものが数多く出ています、あれこれ物色するのもこれまた楽しみのひとつになりますです。

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2012年7月 1日 (日)

1/6ビネット その1

さて、夏真っ盛りという暑い日々が続き、みんさんも周りでは様々なイベント等が開催されているのではないでしょうか?
模型の世界の中でもAFVというジャンルに特化したイベント「北海道AFVの会」が7月8日(日)に開催されます。
今年で10年目を迎える内容の濃い展示です。
お時間のある方は足を運んでくださいませ。
私も何か出品せねば、という事で以前紹介しました1/6アクションフィギュアを使ったビネットを制作しております。
以前の紹介は肌の塗装が中心でしたので、今回はその他の衣類や小物周りに塗装を施しながらビネット仕立てにして行こうと思います。

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画像1は元のオリジナル状態。やはり物足りなさが感じられます、よね。こういった代物が存在する事自体が驚きな訳でもありますが…。

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画像2今回は衣類関係と小物周りが中心です。
衣類は基本色はオリジナルのままで、ヤレ感や汚し等の処理で立体感を加えたリアルな雰囲気にしたい所。
基本作業は以前のアナキンの時と同様ですが、基本色を変えない分作業は割と楽なんです。
塗装は至って簡単、布地の色よりも明るめの色で、ドライブラシの要領でエッジ部分に塗って行きます。
ただし、塗料はかなり薄めた水溶液状態で。
塗った後に豚毛等の固めの筆でこするように周りと馴染ませます。
それを何度も繰り返し、その際に明度も徐々に上げて行きます。

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画像3は画像2と全く同様の作業になりますが、縫い合わせ部や皺辺りも念入りに再現、くれぐれもやり過ぎにはご注意を。
あくまでも質感を出す為の演出です。
小物関係ではベルトやサスペンダーと言った皮物関係の表現で、表面自体よりもエッジサイド部の表現が皮らしく見せる為に重要です。
糸の縫い後の表現などもリアル感を引き立ててくれます。

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画像4ではその他の小物関係の処理が見て取れる筈です。
スコップや飯ごう、水筒や雑納袋、Y型サスペンダーの細部、拘りだすとキリが有りませんが全体の中での役割を考えてバランスを見ながら処理して行きます。
本来は各種様々な素材で作られている小物関係、素材ごとの質感を検証するだけでも楽しいひとときです。
もちろん色々な資料はよりリアルに再現する為にも事前に入手しておきましょう。

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画像5は今回のビネットの脇役として使う予定のラフェッテ34。
こちらもドラゴンから出ていたもので、実物同様に各部可動の素敵なアイテムですが、あまり売れていなかったようですね(笑。
第二次大戦ではMG34機関銃の三脚架で長射程で連続射撃が可能な重機関銃として重宝されていたらしいですが、細部が見事に再現されています。塗装はスケールも大きめなだけに丁寧に塗り込みます。
いつも以上にマニアックな内容になりそうですが今回も時間をかけずに数回でご紹介できそうです!

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2012年6月24日 (日)

トルーパーお色直し

私、基本的にスターウォズ絡みは好きなのです。
フィギュアの数も膨大な量になっておりますが、調子に乗って箱から出したまま飾って、数年も経っていますと、色っけの感じがおかしな事になっているものが多々有ります。
相変わらずの愛煙家というのも追い討ちをかけています。
特に白ものは大変な事に…。
キャラのひときわ立っているトルーパー系は白が基本なだけにダメージも半端なものでは有りません。
長年の垢を洗い流そうと試してみても各部の素材の違いなどで症状も様々、クリーニングは到底ムリですね〜!
という訳で、改めて簡単リペイントにてリフレッシュしてみたのですが。

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画像1は、左からEP3のクローントルーパー、EP6のスカウトトルーパー、EP4最古のストームトルーパー、ここまでが長年の歳月をかけて汚れて来た状態。
そして右がEP2のクローントルーパーで箱の中で生息していた綺麗なまんまの物。
パッと見ただけで汚いと言うよりもばっちい感じ!?素材の違いでなぜか色の付き方も違っていますです。

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画像2は左から順に部分的にお色直しして行ったスカウトトルーパー。
右のリペイントしたもの、すっかりと順白色が蘇り、魅力が倍増!ついでにあちこち細かな部分のディティール部もしっかりとリペイントしておきましょう。画像では解りにくいですが、適度にチッピング処理を施してリアル感もアップしてあります。

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画像3はかなりの古いストームトルーパー、昔はこれでも持っているだけで嬉しかったものですが、今となっては各社から素敵なアイテムが目白押し状態、存在自体がチープになって来た感も有りますが、お色直しでこちらもややイメージアップ?
各部の造りは密かに改造計画も進行中です。やはり白でなければトルーパーとは言えないですね!!

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画像4同じストームトルーパーでも画像3の物よりも新しめのタイプでちょっとリアル?
こちらも白が戻ると精悍な姿になった気が…?

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画像5はEP2のクローントルーパー所有のDC-15Aブラスターライフル、下がオリジナル、上がリペイント。
第二次大戦時のドイツ軍のMG-34がモチーフ、カッコ良いです!

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画像6は画像1の最右の物と同系のやはり汚れたもののリペイント版。
体系はやや太めなのですが、純白にやや艶を加えて、チッピング処理を加えると、なんともカッコいい事になって来ました。
今まで部屋の片隅でこっそりと煤けて来たトルーパー君たちですが、簡単リペイントでのお色直しだけでも存在感がグ〜ンとアップと相成りましたです。忘れる寸前のこんなフィギュアたちも、まだまだ捨てたものではございませんですよ〜!

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2012年6月17日 (日)

アナキン その4(最終回)

前回まででおおよその塗装も終了しましたアナキン。
当初のオリジナルと比べてみるとその代わり映えには目を見張るものが有るかと。
本来の模型とはやや趣きも違うジャンルですが、やっている事とその楽しみ方はほぼ同じと言えますです。
オンリーワンが仕上がった時点での喜びも何にも例えようがないものが有ります。
まあ、今回はその代わり映えははっきりと確認できましたが、ではご本人と似ているのか?となると…。
いちスターウォーズファンとしては、まずまずの合格点ではないかと思っていますものの、評価としては難しい部分が多々残されていますね〜♪

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画像1では背景にタトゥイーンの町並みやバックヤードを配置して撮影してみました。
劇中ではワトーの奴隷の設定でこのような出で立ちになっているアナキン、この後彼がどうなって行くのかが既に解った上での話ですので見方も一味深いものになっていますです。

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画像2ではその後の彼の姿をオーバーラップさせるように、おなじみダース・ヴェイダーの全身入り、そして象徴的なマスクを背景に撮ったもの。
左の全身像はジェントル・ジャイアントの1/6スタチューでその造形も含めた仕上がり」は秀逸です。
右画像のバックのマスク、こちらは1/1のマスクに塗装を施したもので、数年経っても完成には至っておりませんです。

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画像3は決めショットの絵、です。
なんと言っても制作とは全く視点から様々に楽しめてしまう撮影ですが、ここだけに拘ってみるのもかなり面白い世界ではないかと思います。

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画像4は実は今回のアナキン制作当初からの予定のカットがこちら。
公開当時のポスターにもなっている風景ですが、エピソード1の舞台のタトゥイーンの砂漠らしさと旅立つ姿の幼いアナキン、そしてその足下から忍び寄る様なヴェイダーの影、。
壮大なSWの物語の始まりを語るにふさわしい絵。
まあそれをモチーフにしてみたものですが、ポーズが不自然、リュックが無い等はご勘弁くださいまし。
あくまで、イメージでのお話、という事で。

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