2012年1月22日 (日)

1/6アクションフィギュアのヘッド塗装 その5

前回で概ね、顔肌の塗装が完了しました。
本来キットの塗装やサフ掛け後の塗装の場合には、基本塗装後に目の塗装をするケースが多いです。

これは、早めの段階でのイメージを位置づけする為ですが、それだけ顔の最重要ポイントは「目」であるという事です。

目は口ほどに〜と言うように、目の表現次第で喜怒哀楽が、そしてそのフィギュアの内面的な人格さえもが表現できる、と言えるのかもしれません。
という事で今回は目の塗装。

回を重ねるお肌の塗装に反し、目だけはオリジナルのままの塗装となっています。これで一応のイメージが掴めていましたがやはりこのままという訳には行きませんよね!


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オリジナルのままの目。
このままでも良い雰囲気ですが、よりオリジナルに仕上げる場合や、無塗装物には当然避けられない工程で、しかもかなりの重要な部分です!
演出で書き込まれているアイキャッチも当然消して行く事になります。
小スケールの場合には逆にアイキャッチを敢えて入れる事でリアル感を演出する事にもなって行きます。
睫毛や瞼の内側などの表現にも注意が必要になります。


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まずはブルーグレイに想定した瞳の下塗りです。
瞳孔は後ほど加えますので、瞳自体の立体感を持たせながら、中心部は明るめに、外周部は馴染みながらもやや濃いめになるように塗り重ねます。
出来るだけ線を描いた風にならないように。
この段階ではかなりうつろな表情の印象です。
「あしたのジョー」のジョーが打たれた後のマットでひれ伏した時の目が似た印象?


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次に瞳の外周部をさらに濃いめに塗って行きながら、瞳孔部も描きます。
目元周りの気になる部分も同時にレタッチすると良いかもしれません。
瞳孔が入るだけでしっかりとした気が伺える様な感じがしてくる筈です。


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シャープすぎる場合には再度明かるめに調整しましょう。
小スケールでは上段の感じで全く問題ないと思われますが、1/6ともなるとやや不自然すぎるシャープな表現は嫌みに繋がるかも?

細かな細部を実際に表現しようとする際に、頭の中のイメージだけですと、どうしてもコレ!という様にならない場合も出てきます。

そんな際にはお手元で目の掲載されている雑誌等の画像が非常に参考になる事と思います。
Web上でもかなり参考になる物が有りますので、作業の途中、もしくは開始前に、そんな資料を見ながら自分なりのイメージを掴むと、より納得できる物になって行くのではないでしょうか。

という事で、目の塗装、次回に続きます。


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2012年1月14日 (土)

1/6アクションフィギュアのヘッド塗装 その4

さて、前回までで顔の肌部分の基礎がほぼ塗り上がったと言えるのですが、よく見える物に成るも成らないも、ここからが本番という作業です。
人の肌をアップで見た場合、一口に肌色と言ってしまう事のできないいろいろな色が存在しています。
赤みがかった所、黄色っぽい所、青っぽい所など、場所場所によって様々。
また、毛の生え際や伸びてきた髭なども皮膚の感じにいろいろな表情を与えてくれています。
という事で、そんな血色の細かな部分や細かな皺、毛穴や髭の跡などを一味加えて行く事によってリアル感を表現できるのです。613
①上瞼や下瞼にほんのりと極々薄めた青を塗ります。もみあげや鼻の下部顎周りにも薄めた青を綺麗に、塗るというよりも、細かくランダムに描き込む感じで色を乗せて行きます。

次に、ついやりすぎた青色部分を薄めた茶色で軽く覆うようにレタッチして行きます。
不自然な青みが馴染んでくるはずです。
その際に同じ薄めた茶色で額や目尻の皺、瞼周りの細かな皺表現を加えて行きます。
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①髪の生え際、目尻、瞼や鼻の下や顎周りに茶色で色が乗るか乗らないか程の極薄めた色でレタッチ。
②また同色にて細かな皺を表現して行きます。やり過ぎにはご注意を!

前段の行程でまた色が一段暗くなっていますので、ハイライト部分をアイボリー色で軽く立ち上げます。
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①額や頬、鼻や顎、耳等の凸部にハイライト処理、この際に一つ前で処理した細かな皺なんかのハイライトの処理なども行うとより効果的です。

以上の工程を必要に応じて繰り返して行きます。
納得するまで何度でも。
ところどころで気になる部分もあるはずですので、いろいろな角度からじっくりと向かい合って観察し、分析、そして実行です。
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①額や目元回り、ほほ、顎、口周りなどには何となく毛穴の皮膚感なども効果があります。
ぶつぶつと描いてしまうとこれまた不自然ですので、何となく、それらしく、よく見ると的な、かなりアバウトな感じで。
これでもかなりリアル感は表現できてきているはずです。

今回は1/6スケールだからこそ的な作業ですが、髭の雰囲気造りなどは1/35フィギュアでも十分に普通に効果が出ます。
今回の最後の画像、当初のオリジナルの物の画像と見比べてみてください。かなり雰囲気は変わってきている筈なのですが…。


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2012年1月 8日 (日)

1/6 アクションフィギュアのヘッド塗装 その3

※ご注意:ご紹介しております画像、毎回の変化は極わずかでして、一段階、二段階で比べた場合には見た目にはその変化が全く認識されない場合がございますが、確実に手が加えてあります。気を長くご覧いたければ幸いです。

前回までの作業でオリジナル当初からはかなり変わってきたのはお分かりの事と思います。今回は工程がやや戻り気味になりますが、明るめのアイボリー系の色で凸部分の色調をさらに上げて行きます。
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①凸部分の仕上がりの際のハイライトにあたる部分の作業ですが、今まで同様に極端にその箇所のみがベタッと色が乗ると不自然な事に。薄く何度も、線を描くように塗り重ねて行きます。


次に、ダークブラウンで今度は凹部を中心に前回のハイライト部分以外の調子を整えて肌に深みを与えて行きます。
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①凹部分を重点的に、それ以外の部分は極々薄めに塗り重ねます。この際、目元あたりにも同じように処理しておきます。


次に、黒の数歩手前辺りのダークグレーを使用して、全体の細かな箇所を引き締めます。
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①髪の生え際や目元、鼻や口、そして耳周りの最凹部を中心に塗るというよりは描き込む要領でそれぞれのパーツを引き締めます。必要最小限にとどめ、他の肌部分には塗り込まないようにしないと、汚い色味に転んで行ってしまうので注意が必要です。


次に、前段で塗ったアイボリーやダークブラウン、ダークグレー等により全体的に彩度が落ちていますので、基本の肌色や暗めのえんじ色を全体的に目立たない様に、適度に彩度が上がる感じに塗って行きます。
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①ハイライト近辺では肌色を薄く塗って行きます。
②シャドー部近辺は彩度が上がって行く感じに赤みを付けて行きます。

今回はここまで。
冒頭にも書きましたが、今回は特にその作業による結果が極端に表れていないかもしれません。実際の場合には割愛しても差し支えは無い事でしょう。しかし、この地味な作業こそが、最終の段階での大きな差に繋がって行く事を是非ご記憶ください。

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2012年1月 2日 (月)

1/6 アクションフィギュアのヘッド塗装 その2

新年明けましておめでとうございます。

まだ始まって日の浅いブログでございますが、本年もよろしくお願いいたします。

前回は化粧で言えば顔に白粉(おしろい)を塗った所で終了しました。

次は、のっぺりとしたお肌に血色を与える意味合いも含め、オレンジを塗っていきます。
オレンジというと驚かれるかもしれませんが、色のついた水溶液風な感じまで薄めて、あくまでも下地にほんのりと色が乗る様な感じで塗って行きます。(画像6)
全体的に塗りますが、光の当たる凸部は薄めに、影になる凹部は濃い目に塗っていきます。
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①目元上部、鼻下部、唇下部、顎下部および耳等の凹部にうっすらとオレンジ色が付く程度に塗っていきます。
②額、鼻、頬骨、顎あたりの凸部分はできるだけ下地の色が生きるように薄めに。


次はほんのり赤みがかった肌に、さらにシャドウ部分の重厚感を加えるためにくらい赤茶(えんじ色)を加えていきます。(画像7)
オレンジの時と同じように、薄く色を乗せていきます。
先ほどより印影が強くなり、引き締まってきた感じがお解り頂けますでしょうか?
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①前回と同様の手順で、濃いえんじ色を凹部分に色味を加え、さらに立体感を深めて行きます。


そして次ですが、やや暗くなってきた肌に再度血色を加える為の赤と、さらに黄色系も合わせて単調なお肌に変化を加えて行きます。
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①凹部分を主体に肌の赤身をさらに付けて行きます。
②前回塗ったえんじ色により全体的に暗いトーンになっていますので、やや彩度を上げる意味で黄土色を全体に薄く塗ってきます。

徐々に徐々にではありますが、このようにして変化して行く様、どことなく命が少しずつ
宿り始めているかの様な気さえもしてしまう、私だけでしょうかね~?(笑

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2011年12月24日 (土)

1/6 アクションフィギュアのヘッド塗装 その1

さて、2回にわたっての記事で、フィギュアの魅力が少しでも伝わりましたなら幸いです。
今回からはさっそく塗装の始まりです。
塗装の工程なども解りやすくできるように、1/6 のアクションフィギュアのヘッドの塗装を取り上げてみました。
しかもキットではなく一応完成品(?)ですので、ベースはそのままにリペイントのみを施し、変化して行く有様をご覧いただこうと思います。

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参考までにですが、1/6アクションフィギュアのオリジナルが画像1、私のビネット仕立てでリペイントしたものが画像2です。
かなりの変貌を遂げているかとは思っておりますが、いかがでしょうか?

今回のモチーフは、かれこれ10年以上前に発売されたドラゴンの2体セットの物。(画像3)
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当時としてはかなりの良い出来に感動しましたが、今こうして手にしてみますと、年月の流れが感じられてしまいます。
肝心のヘッドはドラゴンらしいオリジナルの造形で、良くも悪くも当時のドラゴンらしいアイテムです。
現在では他社製品でも超絶リアルな商品が続々と登場している中にあっては、やや見劣りしてしまうのは否めません。

そんな物でも、ヘッドの塗装のみを施すと…、あらあらなんて素敵な…、というのが今回の趣旨でございます。
製作といってもただ単に塗料を塗って行くだけの単純お気楽な作業ですので、1/6ではなくとも参考にして頂けたらと思います。

2体の顔のアップです。
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ライティングしてあるので各部の陰影はありますが、生で見ますとほとんど成型色のみです。

それでは塗装に入りましょう。
まずは下地色となる色を塗っていきます。
目や口、髪の毛等は後ほど塗装するので、それまでのイメージを掴みやすくするためにベースを残しつつ、お肌の部分に色を塗っていきます。(画像5)
使用する色はフレッシュで、一般的には肌色といわれているものですが、白が強めの肌色を塗装しています。
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凹凸に関係なく肌部分全体に下地の色味が隠れるくらいに塗って行きます。厚塗りの際に出る筆目には注意が必要です。

まずは、化粧で言うところのファンデーションを塗ったところです。

次回は具体的に陰影をつけて行く作業をご紹介いたします。


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