« 2017年7月 | メイン | 2017年9月 »

2017年8月

2017年8月27日 (日)

ベロキラプトル 全身スケルトン その4(最終回)

流石に朝晩はめっきりと冷え込んで来た札幌ですが、日中は結構な暑さが…。しかも雨模様も伴うと、かなり湿度も高い感じに。湿度が高いと我々道産子には辛い暑さになる訳です(泣 模型的にも結構影響してしまいますよ。特に塗料の乾燥には大きく影響します。その辺りは何かの機会にお話しするとして、今年はいろいろな意味での天候不順が生活にもかなり影響しているのは間違いのない所。この後の年末に向けて、じわりじわりとその余波が襲ってこなければ良いのですが…。
話は変わりますが、昨日、木下大サーカスの公演も終わりに近いと言う事で行ってまいりました。めったにそんな催しに足を運ばなくなって久しいのですが、朝早くから既に1000人近くが大行列で待ち構えている状況、人ごみの苦手な私には心身ともに疲弊してしまったのですが、始まってみるとその演出法なんかは昔とはかなり変化しているのにはビックリ!テレビでは味わえない生の迫力には改めて感動さえ。たまにはあちらこちらに足を運ぶようにしなければと、改めて思った次第です。
さて、ラプトル君の前身スケルトンも最終回です。


Dscf252511

画像1、最終作業 その1。
いよいよ最終段階の作業です。
とは言っても今までの作業の繰り返しと、全体の最終チェックでの作業なのですが。
そこそこのサイズですから部分部分に拘り過ぎて全体としてのバランスに違和感の出ている箇所等をしっかりとチェックしていきます。


Dscf252811

画像2、最終作業 その2。
全体を見渡していくと必ず妙な所が見つかりますよ。冷静に、客観的な目線で確認していく事が大切です。こんな感じで完璧!などと思っても、改めて見直したり時間を置いてみて見ると必ず粗は見えてくる筈です。


Dscf253411

画像3、最終作業 その3。
各部のシャドーやハイライト部分なども改めて不自然な所がないのか、しっかりとチェックしていきます。
更に細部の描き込み部分にも足りない所がないか、追加した方がよくはないかと疑念の目で確認していきます。


Dscf253611

画像4、最終作業 その4。
頸椎や肋骨等の似た形状が続く箇所も要チェックです。繰り返し作業で妙に慣れた作業で流しがちな部分でもあるからですね。
傷やひび、その他の汚れ等も必要に応じて追加作業を加えていきます。
完成以降でもこんな感じで見直してみるのも良いかもですよね。
意外な部分が見つかってしまうかも!?(笑


Dscf258711

画像5、完成 その1。
今回は展示用なのでしっかりとベースを装着します。ディスプレイの趣旨が博物館的なイメージを狙っていたので、他の作品と合わせて質素な形状の木板に艶消しのブラックにて塗装した物を使用する事に。


Dscf258811

画像6、完成 その2。
制作時から付けていた支柱をしっかりとベースに固定、1本だと安定性に欠ける為に足の目だたない部分にも軸打ちしてベースに固定します。あくまでも目だたないようにと言う所が重要です。。


Dscf259011

画像7、完成 その3。
普通はもっと豪華な木目も活かした艶有りのベースがより作品を際立たせる所なのですが、今回はあくまでも作品自体の存在感を重視、単品展示ではなく恐竜物をいくつかまとめて統一感を出す目的なので、こんな質素な、それでいて品のある雰囲気も効果的かと。


Dscf259111

画像8、完成 その4。
ベースに装着していろいろな角度からもチェックしてみると良いですね。気が付かなかった粗も見えてくる場合も!?(汗


Dscf259511

画像9、完成 その5。
あくまでも情報量の多い頭部には見る人の目線が行ってしまいますから、この辺りの仕上げには十分気を使ってあります。見るポイントを設定しておく事も制作時のコツにも繋がりますよ。


Dscf259611

画像10、完成 その6。
モールドに沿った部分やモールドの無い箇所への描き込み作業等の相乗効果で、どんどんそれらしくなっていくのが制作の上での楽しみでもあります。当然サイズに合わせた使い分けなんかも必要になっては来るのですが。


Dscf259711

画像11、完成 その7。
骨らしさをもっとも感じる箇所の肋骨部分も手は抜けません。似た形状が繋がっていますが、一つひとつの表情を形状や塗装によって個体差を演出しておくと、完成時の格が上がって来ると言う物です。あくまでも工業製品の既製品ではないと言う、主張、こんな部分へのこだわりも見る方々は以外に察知してくれるものなんです。


Dscf259811

画像12、HMEでの展示風景。
HME2017の会場にて展示された光景です。
後ろの大きなヘッドも気になる所ですね!?(笑 こちらは次回でご紹介予定です。
展示の趣旨や展示会場の客層、雰囲気等も考慮して展示のディスプレイ等を考えていくのも模型の大切な作業のひとつだと私は考えています。自身の思いの丈を詰め込んだ作品をより効果的に見せていくと言うのも、とっても重要な事だと思うのでありました!


ガンプラ、カーモデル、スケールモデルの模型工具専門店-スジボリ堂

2017年8月20日 (日)

ベロキラプトル 全身スケルトン その3

本当に日々の時間の流れが速いです。あっという間にお盆も過ぎ去ってしまいました。子供たちの夏休みも本日あたりで終了みたいですが、なんだかめっきりと朝晩は肌寒くなって来て、暑かった7月がなんだったのか?と言うくらいに例年の気温になってしまっています。というか8月は全般的に寒い方だったのかも、ですよね〜!空気の香りもどことなく秋を感じさせる気配さえ…(驚 そうこうしているうちに今年も年末を迎えるのもすぐのような気がしてしまいますです〜♪
HME以降はお盆に突入なんかも有ってなかなか制作は捗っていませんが、実はこのブログでもお世話になっているスジボリ堂さんで取り扱っている8倍の実体顕微鏡を使って細かな作業の試運転をしているのでありました!これがなんとも破壊的な威力を持ち合わせた代物、今まで見えなかった細かな部分が見える!そして作業も出来る!!と言う事なので、そのうちにしっかりと報告をさせていただくつもりです。なにせ慣れるまでにはまだ時間が掛かりそうな物ですから…(汗
と言う事ですが、今回も全身スケルトンの続き、なのでした。


Dscf244711

画像1、全体の細部の描き込み その1。
今回は正直、大まかな流れでどんどんと全体の細部にわたっての描き込み作業や色味の調整を行っていっています。明らかに進んではいる物の、なかなかその差が明確になっていないかも!?ですのであらかじめご了承くださいませ。
と言う事でこの絵も前回からは進んでいると言う状態なのですよ。


Dscf245211

画像2、全体の細部の描き込み その2。
そもそも模型作りの上では段階的に徐々に進んでいく物、まして大きめのスケールの場合になって来ると部分部分での作業の繰り返しが増えて来がちです。ですからその進捗状態はとっても解りにくい、と言う事なんですよね〜(泣
こうして画像が有ると言う事は、毎回進んだ分ごとに撮影しているので、明らかに作業の段階が進んでいる事、の証なのです、が…(笑


Dscf245811

画像3、全体の細部の描き込み その3。
細部の描き込みが進んではいる物の、この画像のサイズでは何がどう進んでいるのかは??状態。しかしながら骨の細かな傷やひび、汚れ等も含めてかなり細かな作業が進んでいるのです。


Dscf246811

画像4、全体の細部の描き込み その4-1。
本当にどんどんと進んではいるのです。細かな細部の描き込みと供に、前回行ったシャドウ部やハイライト部も更に強調していっています。あくまでも全体のバランスを見ながらの作業となります。細部ばかりに気を取られてしまうと部分的におかしな事になってしまうので、あくまでも全体を見渡してのバランスが重要なんですよね〜!


Dscf247011

画像5、全体の細部の描き込み その4-2。
いつもそうですが、画像だと決まった部分での見せ方が続く事が多いですが、あくまでも立体もの、当然見えない部分や裏側なんかも同時に進んでいる、わけです。本当の作例等ですと、もっとポイントを押さえての見せ方になるのですが、せっかくの場なので本当に細かな部分までお見せしたい、とはいっても限界もありますので、と言うジレンマの狭間で毎回苦労している次第(汗


Dscf247111

画像6、全体の細部の描き込み その4-3。
肋骨部分のアップ。
この状態ですと結構始めの頃とは変わった状態がお分かりいただけるかと。
あくまでも化石物ですから、その辺を考えての仕上げが必要となってきますね。発掘した状態のままのリアルっぽさだったり、博物館に展示されている復元された状態だったり、設定は自分次第。こんな辺りを考えていくのも楽しみの一つでもあるのです。


Dscf247211

画像7、全体の細部の描き込み その4-4。
頭部のアップ画像です。のっぺりとしたオリジナルの状態からかなり精悍な印象に変化してきましたよ!モールドに頼らずに細かな部分は意図的に描き込みによって表情を作っていきます。本当の意味でのリアルさ、と言うよりもあくまで模型的な意味での演出によって、様々な空気感を作り出していけるのが醍醐味でもある訳ですよね〜!!
で、次回は完成のお姿、です。


ガンプラ、カーモデル、スケールモデルの模型工具専門店-スジボリ堂

2017年8月13日 (日)

ベロキラプトル 全身スケルトン その2

HME201が終了して早2週間が経ちます。熱い熱い日々に頂いた刺激は、毎年そうですが、創作意欲ビンビン状態、ではあるのですが、なかなか次の一歩に踏み出せない、と言う…(泣こんな機会に次の一歩を踏み出すと新しい世界が開けるのだろうと解ってはいても、なかなか、です。しかも時はお盆の最中、夏休みだのお墓参りだの、一年の中でも指折りの忙しい時期、模型作りに没頭出来る時間が欲しいと、唇を噛み締める時期でもあるのですよね〜♪ 例年、こんな繰り返し、そりゃあ進歩も遅い、はずです、よね!?(汗
数日前までなんと暑い年なの?などと毎日ぼやいていた札幌ですが、昨日と本日は雨模様なのもあるのか、とっても肌寒いんです。お盆開けと言うよりも、10月あたりの気温です、このまま秋になって、そろそろ雪に備えなきゃ!とでも思ってしまいそうな感じに。知り合いの話では、オホーツクや太平洋側の方面ではそんな肌寒さが結構続いていたらしく、朝晩なんかは暖房に火をつけるなんて日も有ったとか!!いったいどうなってしまっているのでしょう?間違いなく異常気象ですよね〜!?
で、作業はラプトル君の続きです。


Dscf240511

画像1、全身パテ塗り確認。。
いつもはあまりしないのですが、今回は素材的にや、追加改造の色の違いが随所にある為、一度ラッカーパテにて全身を塗装、再度ペーパー掛けして全体の下地調整をしておきます。
工作後の下地調整は仕上がりにも大きく左右してしまうので、今回は慎重に、と言う感じですよ。


Dscf241211

画像2、下塗り。
大まかにペーパー掛けも終わるといよいよ塗装段階の開始。
まずはアイボリー系の色で下塗りして行きます。この下塗り段階で下地の処理が気になる箇所も新たに判明してしまう部分も出てきます。いったん手を止めてパテにて再度修正なんかの作業も有ったりするのです(泣


Dscf242911

画像3、ウォッシング。
下塗りが終わると、イメージをつかみやすくする意味も含めての軽いウォッシング作業です。茶色をかなり薄めた塗料にて全体に施して行きます。凸部分にはあまり残らずに凹部分には色がしっかりと残る要領で。


Dscf243311

画像4、ウォッシング その2。
更に今度は凹部分のみにダークグレーにてウォッシング作業を重ねて行きます。この作業によって全体がグッと引き締まったイメージになってきます。まだあくまでも全体像のイメージを把握する意味合いが強いので、色むら等はあまり気にしなくても大丈夫。初心者の方はこのまま仕上げとしてしまっても良い位イメージが出来上がってくる筈、なのですよね〜!


Dscf244111

画像5、ハイライトやシャドー部の描き込み作業 その1。
次にハイライト部分やシャドー部分にそれぞれの色を描き込んで、徐々に凹凸感を強調して行きます。
ハイライト方向には下塗りの色に徐々に白を混ぜて明るくしながら明るい方向に立ち上げて行きます。シャドー部分には逆にどんどん黒を強くしながら、と言う感じに。


Dscf244311

画像6、ハイライトやシャドー部の描き込み作業 その2。
描き込み作業を段階的にどんどん進めて行くと全体の雰囲気も作業を進めるたびにどんどん良い雰囲気に向かって行くのが実感出来ますよ。作業をやっている感がひしひし解る楽しいひととき、なのです(笑


Dscf244611

画像7、ハイライトやシャドー部の描き込み作業 その3。
頭部のアップと肋骨周辺のアップです。
どんどんとケンタッキーの食べ終わった骨の感じになって来ています、よね!(笑 この段階ではまだまだ大雑把な作業ですので粗もあちらこちらに存在しますよ。その辺はこの後の作業でリカバーして行く事になるのです。
骨もの、格好楽しい作業なんです〜♪


ガンプラ、カーモデル、スケールモデルの模型工具専門店-スジボリ堂

2017年8月 6日 (日)

ベロキラプトル 全身スケルトン その1

先週の2日間の熱きHME2017も無事終了いたしました。昨年が30周年と言う事でそれはもう大変な状態でしたが、その分今年はひっそりと的な思惑も見事にはずれて、めちゃくちゃ盛り上がってしまいました!ゲストの方も大物モデラーや芸能関係の方も含めて、それはもう大騒ぎ。一日目夜の親睦会、昨年も凄かったのですが今年も153名が会場のビアケラーの端から端まで50メートル以上 はあると思われる距離をモデラーが埋め尽くして盛り上がるのですから大変です。二日目はその疲れも有ってややおとなしめ(笑)でしたが…。参加者やご来場の皆さん本当にお疲れさまでした、そしてありがとうございます。この調子で来年も頑張りたいと思っているのですが、2日間の身体の負担は半端な事ではないので、いつまで持つか?(笑
この夏以降も道内各地での展示会が今年も目白押しです。出来るだけ顔は出したいのですが、仕事も押してきそうですし、どうなりますやら。皆さんもどんどん参加してみては如何でしょうか〜♬
と言う事で今回からは会場でも展示していました物からゆっくりとご紹介の予定です〜!


Dscf23101

画像1、ビバリー社3D恐竜パズル。
今回の元はパズル、です。お子様向けの物で簡単に組み立てられるもの。出来もそこそこ良い感じでは有る物の、所詮トイレベルの造形ですが、持っていて案外嬉しいアイテムなのです。同レベルの同じようなアイテムは他にも低価格で結構出ているんです。
今回はこれに手を加えながらもっと満足できるレベルに仕上げたい、と言う。


Dscf23121

画像2、オリジナルの組立てた状態 その1。
組み立ててみると案外立派な姿、なのですが、素材がPVCなのと、色が整形色のままなので安っぽくも見えてしまっています。部分によっては形状的に不満の出ている箇所も結構見受けられます。


Dscf23131

画像3、オリジナルの組立てた状態 その2。
肋骨の上部は一本一本の隙間が完全に埋まってしまっています。
あと、頭部の形状もかなり以前のデータのような、ごろんとしたイメージに。
歯の形状もとってもダルダルな、しかも規則的な状態です。


Dscf23151

画像4、オリジナルの組立てた状態 その3。
この手の物に多いのが胸骨が無いと言うこと。ここが有るのと無いのとでは繊細さが圧倒的に違ってくるのです。
手足の爪の形状もかなりだるい感じの出来映え。
頭部の特に後頭部部分が妙に出っ張ったイメージだったりしますね。


Dscf23821

画像5、改造 その1。
と言うようなあちらこちらの不満点を解消すべく手直しをして行きます。
画像の中で色の異なる箇所が主に手を加えたパテの箇所になるんです。近年ここまで大々的に修正を加える事は珍しくなっているのですが、今回は久々に大改造の巻き、となってしまっています(笑


Dscf23831

画像6、改造 その2。
まずは頭部。気になる後頭部はガリガリ削って形状を修正します。鼻やあご周りの形状もパテにてしっかりと修正。
特に今回気を使ったのが歯の部分です。元の歯はすべて削り取ってそこに新たな歯を埋め込んであります。実はこの歯、プラ製の歯間掃除用の爪楊枝にやや手を加えて作った物なのでした。暑い中でのめちゃくちゃ地味〜な作業なのです(泣
おかげで結構立派な形になってくれた気が。


Dscf23951

画像7、改造 その3。
埋まった状態の肋骨上部は左右とも穴をあけてしっかりと隙間を作ってあげます。これだけで繊細な肋骨部分の形になってくれるんです。
手足の付け根にあたる部分もしっかりと形状を修正。
存在の無かった胸骨部分もパテにて新造してあげます。
手足の爪の形状もしっかりと修正。
手は指の隙間が無い状態でしたので、間を切り離して一本一本の指が離れた状態に修復してあります。


Dscf24021

画像8、改造 その4。
背骨上部の形状も物足りなさを感じたのでパテにて形を修正してみました。
足の爪は特にラプトルの存在感を示す部分ですのでしっかりとした形に修正。この爪が前回までの爪にあたる部分なのですよね〜!
他にも細かな部分をしっかりと修正しながら全体のバランスを取って行くのでありました。そんなこんなで近年まれに見る大改造になってしまったのです〜(汗


ガンプラ、カーモデル、スケールモデルの模型工具専門店-スジボリ堂